事業の内容
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/ 原文長 約7027文字
3 【事業の内容】 当社の事業セグメントは、「医薬品事業」と「検査事業」の二つです[*]。「医薬品事業」は、医薬品の研究・開発・製造・販売を事業目的とし、「検査事業」は、検査薬の研究・開発・製造・販売を事業目的としています。 当社は、未来のがん治療にパワーを与え、その実績でがん治療の歴史に私たちの足跡を残してゆくことをビジョンとしています。 医薬品事業においては、がんや重症感染症などの難病を対象に安全で有効な新薬を創出すること、検査事業においてはウイルスの遺伝子改変技術を活かしたがん検査薬の提供を基本的な事業方針としています。 なお、医薬品事業及び検査事業ともにアウトソーシングを積極的に活用することで、開発期間の短縮化・開発経費の最適化を図っています。当社の事業系統図は以下の通りです。 [事業系統図] [*] 当社は、これまで、「医薬品事業」、「検査事業」の2つを報告セグメントとして設定し、事業活動を推進してまいりましたが、2020年11月6日開催の取締役会において、2021年1月1日より両報告セグメントを廃止し、「創薬事業」の単一セグメントへ変更することを決定しております。 (1) 子会社の設立 医薬品事業の研究開発活動を加速させることを目的として、2020年4月に当社100%子会社OPA社を設立しました。OPA社は米国カリフォルニア州を事業拠点とし、主として各パイプラインの非臨床試験並びにウイルス製造に関する業務を担当します。なお、OPA社の社長には、腫瘍溶解ウイルスの研究開発に30年以上の経験を持つFrank Tufaro博士(元DNAtrix Inc. 代表取締役社長)が就任しました。 (2) 主要なパイプライン 当社は、ウイルス遺伝子改変技術を活用した新規がん治療薬、新規がん検査薬、さらに感染症領域の新たな治療薬の開発を行い、がんや重症感染症領域の医療ニーズ充足に貢献することを目指しています。 特にがん領域では、がんのウイルス療法テロメライシンの開発を進めると共に、がんの超早期発見または予後検査を行う新しい検査薬のテロメスキャンを揃えることで、がんの早期発見・初期のがん局所治療・予後検査・転移がん治療を網羅するパイプラインを構築しています。 ① がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301) テロメライシンは、5型のアデノウイルス[*1]を遺伝子改変した腫瘍溶解ウイルスです。5型のアデノウイルスは風邪の症状を引き起こすもので、自然界にも存在します。テロメライシンは、細胞の寿命を決定づけるテロメラーゼの活性が高いがん細胞で特異的に増殖することによって、がん細胞を破壊します。一方、がん細胞と比較してテロメラーゼ活性が低い正常な細胞の中では、増殖能力が極めて低いため、臨床的な安全性を保つことが期待されています。…
経営方針・経営戦略・対処すべき課題
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/ 原文長 約1101文字
(1) 経営方針 当社は創薬バイオベンチャー企業として研究開発先行型の事業を展開しており、独自性の高いアデノウイルス遺伝子改変技術を活用した新規がん治療薬、新規がん検査薬の開発と事業化を推進しています。がんのウイルス療法テロメライシン、腫瘍溶解遺伝子治療OBP-702(次世代テロメライシン)、がんの早期発見または再発予測を行うテロメスキャンを揃え、がんの発見から治療までを網羅するパイプラインを構築しています。今後も、当社の遺伝子改変アデノウイルスプラットフォームを拡充し、がん治療の新たな医療現場ニーズに貢献できるよう、更なる新規パイプラインの創製にも取り組んでゆく方針です。 「オンコリスなしでは医療現場が、ひいては患者様が困る」そういう存在感ある創薬を展開することを基本方針とし、いち早く医療現場の課題解決に貢献していきたいと考えています。 (2) 当社を取り巻く経営環境 がんのウイルス療法は1990年代から欧米を中心に研究開発が進み、2010年代以降に大きな進展を遂げています。2015年に米国アムジェン社のがんのウイルス療法が皮膚がんの治療薬として承認され、世界で数十社が開発に着手しています。その結果、がんのウイルス療法は世界で拡がりを見せていますが、研究開発競争も激しくなっています。当社は、2019年4月に中外製薬とがんのウイルス療法テロメライシンのライセンス契約を締結しました。なお、テロメライシンは、食道がんへの適応に対して、厚生労働省による『先駆け審査制度への指定』や、米国FDAによる『オーファンドラッグ指定』を受けています。これらの指定により、薬事承認にかかわる相談・審査において優先的な取り扱いを受けるようになりました。さらに、当社はテロメライシン以外にも、次世代テロメライシンOBP-702の開発に着手しています。 また、医薬品業界では、大手製薬会社も従来にない技術や新しいモダリティを求めています。一方、新型コロナウイルス感染症のパンデミック発生により医療機関が逼迫し、全世界で臨床試験の進展に時間を要しています。このような環境下、当社のような小規模組織は、経営資源であるヒト・モノ・カネを戦略的に活用し、プロジェクトを当社主導でコントロールし、業務のスピードと質を最大化する必要があります。 医療現場や外部委託会社であるCROやCMOとの関係を強化するとともに、当社子会社のOUS社やOPA社と連携し、前臨床から臨床段階への橋渡し(Translational Research)を速やかに進め、ニューモダリティを求める大手製薬会社との提携に繋げたいと考えています。
対処すべき課題
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/ 原文長 約1843文字
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社は、組織戦略において下記の課題を重要な課題として取り組んでおります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日時点において判断したものであります。 a.経営理念の浸透 当社のビジョンは、未来のがん治療にパワーを与え、その実績ががん治療の歴史に私たちの足跡を残してゆくことです。 私たちが求めて止まないのは、医療の“イノベーション”です。そのために、普段からの医学研鑽を惜しみません。少人数で大きな仕事を成し遂げてこそ、アドベンチャーと言えるでしょう。大企業に出来ないことこそ、私たちが成し遂げるべき目標です。いくら儲かるからではなく、どれだけの人を救えるかに価値観をもち、その結果としての利益を追求してゆきたいと考えます。経営者と社員だけではなく、株主様ともこの意識を共有してゆきます。常に透明な経営を心がけ、定期的な情報公開を行ってゆきます。社会貢献を目指す社会人として、常にコンプライアンスの遵守を心がけます。 経営理念を役職員に浸透させ、経営理念に基づいた経営戦略の遂行を柔軟且つ活気を持って執り行う組織を構築することが、重要な経営課題です。そのために、経営理念を具現化するための行動規範を策定し、役職員に行動規範の遵守を指導するとともに、経営トップが役職員に経営理念を語る機会を積極的に設定しています。その上で、研究開発部門と事業開発部門が一元的に情報を共有することを第一義に組織を構築しています。また、社内リソースを管理する管理部門は、常にステークホルダーを意識し、コンプライアンス遵守を徹底します。さらに、内部監査部門は、経営理念及び行動規範の浸透状況をはじめとするモニタリング機能を充実させていきます。 b.人財の確保と成長 役職員個々の自発的な成長こそが当社の成長を支える必須要素です。その実現のために人財の採用・育成を積極的に推進します。社内外ネットワークを活用し、確かな技術・能力・成長意欲のある人財の採用を行い、併せてOJTや各種研修プログラムによる人財育成を行うことで、陣容の充実を図ります。また、業績評価や株式報酬制度を充実させ、業務のスピード及び質を最大化することに努めます。 c.研究開発体制の強化 当社の研究開発は、医薬品及び検査薬候補の探索・創製から前臨床試験及び初期臨床試験までを対象とし、前臨床から臨床段階への橋渡し(TR:Translational Research)が主業務です。従って、研究開発計画の企画立案並びにその進捗管理を主たる業務とするプロジェクトリーダーを担える人財の確保並びに育成が重要な課題です。…
経営成績・財政状態の概況
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/ 原文長 約3057文字
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概況 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響により国内外の経済活動が抑制され、急速に悪化しました。緊急事態宣言の解除後は、各種政策を背景に企業業績の向上や雇用・所得環境の改善がみられ、総じて緩やかな回復基調で推移しておりましたが、第二波、第三波の影響によって感染者数が増加しており、今後の世界経済の先行きは予断を許さない状況が続いております。 医薬品の研究開発の現場では、新型コロナウイルス感染症の患者様に対する治療優先のため、新薬の臨床試験の遅れが生じており、新薬開発に大きな影響が出ています。 このような状況下、当社は「未来のがん治療にパワーを与え、その実績でがん治療の歴史に私たちの足跡を残してゆくこと」をビジョンとし、経営の効率化及び積極的な研究・開発・ライセンス活動を展開いたしました。また、医薬品事業の研究開発活動を加速させることを目的として、2020年4月に当社100%子会社OPA社を設立しました。OPA社は米国カリフォルニア州を事業拠点とし、主として各パイプラインの非臨床試験並びにウイルス製造に関する業務を担当します。なお、OPA社の社長には、腫瘍溶解ウイルスの研究開発に30年以上の経験を持つFrank Tufaro博士(元DNAtrix Inc. 代表取締役社長)が就任しました。しかしながら、医療現場の新型コロナウイルス感染症の患者様に対する治療優先の影響は当社にも及んでおり、当社パイプラインの新薬開発は当初計画よりも遅れています。 医薬品事業では、がんのウイルス療法テロメライシン(OBP-301) や核酸系逆転写酵素阻害剤OBP-601(Censavudine)、新型コロナウイルス感染症治療薬を中心に研究・開発・ライセンス活動を推進させました。また、検査事業では、テロメスキャンを中心に研究・開発を推進させました。 当社活動の詳細に関しては、「第2 事業の状況 5.研究開発活動」をご確認ください。 以上の結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 a.財政状態 当事業年度末の資産合計は、現金及び預金の減少1,274,657千円、売掛金の減少98,710千円、前払費用の増加38,670千円、投資有価証券の減少328,874千円、長期前払費用の減少18,819千円等により、前事業年度末に比べ1,583,642千円減少し、2,796,413千円となりました。…
セグメント関連
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/ 原文長 約582文字
2.セグメント資産の調整額3,949,810千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であり、主に報告セグメントに帰属しない現金及び預金等であります。 3.セグメント利益又はセグメント損失(△)は、損益計算書の営業損失と調整を行っております。 当事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日 ) (単位:千円) 報告セグメント 調整額 (注)1 財務諸表 計上額(注)2 医薬品事業 検査事業 売上高 外部顧客への売上高 313,569 610 314,179 314,179 セグメント間の内部売上高 又は振替高 313,569 610 314,179 314,179 セグメント損失(△) △ 713,361 △ 73,346 △ 786,708 △ 887,944 △ 1,674,652 セグメント資産 91,438 21,967 113,406 2,683,007 2,796,413 その他の項目 減価償却費 2,347 2,347 2,543 4,890 有形固定資産及び 無形固定資産の増加額 14,381 14,381 2,700 17,081 (注) 1.セグメント損失(△)の調整額△887,944千円は、各報告セグメントに配分していない全社費用であり、主に報告セグメントに帰属しない当社の管理部門に係る経費であります。
主要な顧客・販売先
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/ 原文長 約3406文字
(3) 販売実績 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称 当事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日 ) 前年同期比(%) 医薬品事業(千円) 313,569 24.3 検査事業(千円) 610 5.3 合計(千円) 314,179 24.1 (注) 1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先 前事業年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日 ) 販売高(千円) 割合(%) ア社 1,175,753 90.2 相手先 当事業年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日 ) 販売高(千円) 割合(%) A社 90,831 28.9 B社 88,297 28.1 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 3.当社顧客との各種契約においては秘密保持条項が存在するため、社名の公表は控えさせて頂きます。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日時点において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積もりを行なっておりますが、実際の結果は特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。 当社が財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。なお、新型コロナウイルス感染症による今後の影響等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。 a.固定資産の減損 当社は固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下し た資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上す ることとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定については将来キャッシュ・フロー等の前 提条件をもとに実施しておりますが、市況の変動などにより、これらの前提条件に変更が生じた場合、減損処理 が必要となり、当社の業績に影響を与える可能性があります。 b.投資の減損 投資価値の下落が著しく、かつ回復可能性がないと判断した場合に投資の減損を計上しております。…