3分で読める事業概要
有価証券報告書の記載内容をもとに、事業内容・主なサービス・確認ポイントを自動整理した参考情報です。
事業の概要
蓄電型発電所を製造する企業。BESS(バッテリーエネルギー貯蔵システム)、EVCS(急速EV充電システム)、電力事業の3軸で展開。国内生産・開発・保守を一貫して行う「Made in Japan」へのこだわりと、高度な制御技術による安定供給に強みを持つ。
主な事業領域
蓄電型発電所の製造・販売および関連するエネルギーソリューションの提供
主な製品・サービス
- PowerX Mega Power(大型定置用蓄電システム)
- PowerX Cube(中型定置用蓄電システム)
- PowerX Hypercharger(急速EV充電システム)
- Power OS(遠隔監視・運用管理システム)
ビジネスモデル
電池セルやモジュールは外部調達し、設計・製造・ソフトウエア・メンテナンスを国内で一貫提供するモデル。共通部品の活用による量産と低価格化、および運用管理を含む付加価値サービスの提供により収益を得る。
セグメント・事業構成
BESS事業(大型・中型蓄電システム)、EVCS事業(急速EV充電システム)、電力事業(再生可能エネルギー中心の電力販売・運営)
戦略・方向性
「Made in Japan」による品質と安全性の確保、高度な制御技術による安定供給、および量産体制の構築によるコスト競争力の追求。また、データセンター事業や海外進出などの非連続的成長も目指す。
強みとして読み取れる点
- 国内での設計・製造・ソフトウエア開発・メンテナンスの一貫提供
- 自社開発の高度な制御システム(BMS, Power OS)
- 共通部品の活用による量産とコスト競争力の確保
- 多様なバックグラウンドを持つプロフェッショナル人材の活用
課題として読み取れる点
- 急速な需要拡大に伴う生産キャパシティの確保
- 部材調達価格の上昇(特にリチウム関連)への対応
- 為替変動による仕入コストへの影響
- 優秀な専門人材の確保と育成
確認ポイント
- 国内における蓄電システムの導入加速に向けた受注動向
- 原材料・部品調歴の安定確保とコスト管理
- 海外展開およびデータセンター事業などの新規成長領域の進捗
概要整理の信頼度: 4 / 5 ・事業内容、製品ラインナップ、経営戦略、課題が詳細に記載されており、概要把握には十分な情報がある。
事業・経営に関する有報本文
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事業の内容
3 【事業の内容】 パワーエックスは蓄電型発電所(注1)を製作する会社です。 当社グループは、「永遠に、エネルギーに困らない地球」をビジョンに、「日本のエネルギー自給率の向上を実現する」をミッションに掲げ、バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS:Battery Energy Storage System。蓄電池と電力制御を組み合わせて、状況に応じて電力を充放電する仕組み)の開発、製造、販売から、系統用蓄電所の企画、運用までを一貫して提供しております。 2025年2月に日本政府が閣議決定した第7次エネルギー基本計画では、2040年度に総発電量のうち再生可能エネルギーの割合を4~5割程度とし、最大の電源とするとの指針が示されています(注2)。また、2025年1月には米国が国連に対してパリ協定からの離脱を通告するなど、エネルギーを巡る問題は世界規模で不確実性が高まっていますが、エネルギー自給率の向上や温室効果ガス削減等課題を解決するためには、再生可能エネルギーの主力電源化が鍵であり、その需要は急速に高まっております。蓄電池は、太陽光や風力などで発電された電力を余剰時に蓄え、不足時に放出することで、発生をコントロールしにくい再エネ由来の電力を需要に応じて柔軟に供給することを可能とする、化石燃料依存の脱却を実現する次世代の代替手段であり、その発展には高度なエネルギー制御とセキュリティ対策によって支えられた高品質且つ低コストでアクセスのしやすいハードウェアの普及が必要不可欠です。 当社グループは、脱炭素化社会の実現に貢献するため、岡山県玉野市に建設した自社工場「Power Base」及び提携工場で生産する蓄電池製品を利用したソリューションを提供しており、BESS事業、EVCS事業、電力事業の3つの事業から構成されております。 (注1) 2022年5月の電気事業法改正以降、出力10MW以上で電力系統に直接接続する蓄電システムは「発電所」として扱われています。当社ではこうした系統用蓄電システムを「蓄電型発電所」と称しています。 (注2) 出典:経済産業省 資源エネルギー庁「第7次エネルギー基本計画の概要(2025年2月)」 (Made in Japanの蓄電池製造基盤) 当社グループは、岡山県玉野市の自社工場「Power Base」及び提携工場において、定置用蓄電システムや蓄電池型急速EV充電システム等、様々な用途に応じた蓄電池製品の製造を行っております。 近年は、ウクライナ紛争の長期化や、米中間における輸出入の禁止措置など、地政学上のリスクが高まる中で、日本でも2025年6月に施行された経済安全保障推進法において重要物資の安定的供給や、基幹インフラ役務の安定的提供の確保に関する制度が定められるなど、経済安全保障におけるエネルギー確保の重要性が認識されております。…
経営方針・経営戦略・対処すべき課題
(1) 経営方針 当社グループは、「永遠に、エネルギーに困らない地球」というビジョンのもとに、「日本のエネルギー自給率の向上を実現する」というミッションを掲げております。 日本政府は、2050年までにカーボンニュートラルを達成する目標を掲げ、再生可能エネルギーの導入に取り組んでおります。一方、太陽光発電や風力発電等の出力が変動する再生可能エネルギーの大規模導入に伴い、余剰電力の発生や電力供給の安定性の確保が課題となっております。また、昨今、エネルギーを巡る問題は世界規模で不確実性が高まっている中で、再生可能エネルギーの主力電源化が鍵とされております。 当社グループでは、自然エネルギーの普及並びに蓄電、送電技術にイノベーションを起こし、脱炭素時代を担う次世代型のエネルギー企業を目指して社会に貢献してまいります。 (2) 経営環境・戦略 Bloombergが発表したデータによりますと、温室効果ガスの主要因である二酸化炭素の排出量は年々増加しており、1990年から2022年にかけて約1.7倍に増加しております。また、全国地球温暖化防止活動推進センターが発表したデータによりますと、日本の部門別の二酸化炭素排出量の主要因の約40%が電力の発電によるものとされております(発電及び熱発生に伴うエネルギー起源の二酸化炭素排出量を、電気及び熱の生産者側の排出として生産者側の部門に計上した排出量で算定)。 出典:(左)Bloomberg「Global total CO2 emissions」、(右)全国地球温暖化防止活動推進センター「日本の部門別二酸化炭素排出量(2023年度)」より当社作成 また、日本における2023年のエネルギー自給率はわずか15.3%(OECD中37位)にとどまり、先進諸国と比較しエネルギー資源の対外依存が高い状態が継続しております。 出典:国際エネルギー機関(2025年10月) 「World Energy Balances Highlights」より作成。エネルギー自給率は、当該国の国内エネルギー生産量(PJ)÷国内総エネルギー供給量(PJ)で算出。日本のエネルギー自給率のみ、「総合エネルギー総計(1990~2023年度確報)時系列表」(経済産業省 資源エネルギー庁)から引用。なお、国際エネルギー機関と経済産業省のエネルギー自給率算出手法には若干の差異があることに留意。 このようなエネルギー情勢の中、日本政府は2025年2月に第7次エネルギー基本計画を閣議決定しております。…
対処すべき課題
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ①成長戦略の推進 当社グループは、中長期的な事業拡大と収益基盤の確立に向けて、既存事業の連続的成長及び非連続的成長をバランスよく遂行することが課題となっております。 既存事業の連続的成長については、主にBESS事業の既存製品の改善・進化、製品ラインナップの拡大、ターゲット市場・顧客の深化・拡大、蓄電システムの設置・導入の効率化、保守・メンテナンス体制の更なる高度化等、電力事業における 電力販売(小売、卸、仲介) や蓄電所開発の拡大 、アグリゲーションの拡大 等による収益及び収益性の拡大を図ってまいります。 また、非連続的成長については、量産型データセンター事業の開始、BESS事業における海外進出等により収益及び収益性の拡大を図ってまいります。 ② 生産キャパシティの確保 当社グループは、主にBESS事業における受注の急拡大により、生産キャパシティの拡大による供給の安定化が課題となっており、これに対応するため、IPO時の増資や借入資金等により、工場及び生産設備の増強を図ってまいります。 ③ 部材調達価格上昇への対応 当社グループが製造する蓄電池製品の主要な部品である電池モジュールについては、現状中国の仕入先より輸入しております。 2026年1月以降、 リチウムの生産事業者の操業停止、EV や蓄電システム の好調な需要、中国によるVAT(増値税)輸出還付の段階的廃止による駆け込み需要が連動し、原料価格の高騰を招いており、仕入先からのモジュール価格が上昇する可能性が生じております。 リチウムの価格が落ち着く可能性があり、受注済を含む販売契約について、価格転嫁やコスト競争力のある新製品への切り替えも行う予定であり、中長期での影響は限定的となるものの、短期的には業績に影響を与える可能性があります。 また、当該電池モジュールを含む輸入品については、ドル建ての仕入を行っており、 為替レートについては155円前後を想定しておりますが、 直近の変動が激しく、一定の為替予約を行っているものの、 ドル建て仕入価格の予測が困難となっております。この状況は他社も同様であり、為替レートの動向によっては販売価格に転嫁していく可能性があるものの、短期的には業績に影響を与える可能性がございます。 これらに対応するため、販売価格への価格転嫁、コスト競争力のある新製品への切り替え、中国以外の会社を含む部材調達先の拡大、為替予約のカバレッジ拡大等により収益性の確保を図ってまいります。 ④ 人材の確保と育成の強化 当社グループの継続的な事業の成長と発展のために、優秀な人材の確保と育成は重要な課題の1つと認識しております。…
経営成績・財政状態の概況
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済は、米国との相互関税の引下げの合意等の好材料は見られたものの、米国の政策動向、ウクライナや中東地域における地政学リスクの影響等により、先行きは不透明な状況で推移しました。日本経済においては、雇用・所得環境の改善もあり、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。 このような事業環境の中、2025年2月に政府が発表した第7次エネルギー基本計画では、2040年には発電電力量の4-5割程度を再エネとする指針が示され、令和7年度補正予算でも系統用蓄電池への支援が継続されるなど、系統用蓄電システムの導入促進も本格化する動きが継続して見られております。こうした状況に対して当社では、コスト競争力のある蓄電システムの国内生産及び販売活動を基盤としながら、エネルギーインフラとして長期・安定的な稼働を実現するソフトウエアなど複数の製品、サービスを展開しております。 以上の結果、当連結会計年度の業績は、 売上高19,306百万円 (前期比 213.4%増加 )、 営業損失677百万円 (前期は 4,942百万円の営業損失 )、 経常損失1,796百万円 (前期は 5,702百万円の経常損失 )、 親会社株主に帰属する当期純損失1,646百万円 (前期は 8,013百万円の親会社株主に帰属する当期純損失 )となりました。 なお、当社グループの連結業績は、顧客が利用する蓄電池製品の購入に関する補助金制度の受給要件充足の都合上、下半期に売上高と利益が多く計上されるため、上半期と下半期の業績に季節的変動があります。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 (BESS事業) BESS(Battery Energy Storage System)事業では、系統用蓄電池や再エネ併設蓄電池、産業・商業用蓄電池などの用途で利用可能な大型定置用蓄電システム「PowerX Mega Power」や中型定置用蓄電システム「PowerX cube」の製造販売を行っております。BESS事業を取り巻く事業環境としては、今後、我が国における再エネの主力電源化や電力の安定供給に向けて、余剰となる自然エネルギーの有効活用や、自然エネルギーの変動を電力需要に合わせて調整する調整力の確保が急務となっております。こうした状況を背景に、電力系統に直接連系する大型の定置用蓄電システムのニーズはますます高まっており、2026年出荷予定分を中心に受注は順調に積み上がっております。…
セグメント関連
(3) 減価償却費の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産に係る減価償却費となります。 2.セグメント利益又はセグメント損失(△)は、連結損益計算書の営業損失と調整を行っております。 当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日 ) (単位:百万円) 報告セグメント 調整額 (注)1 連結財務諸表計上額 (注)2 BESS事業 EVCS事業 電力事業 売上高 一時点で移転される財又はサービス 17,083 1,145 461 18,691 18,691 一定の期間にわたり移転される財又はサービス 18 592 615 615 顧客との契約から生じる収益 17,102 1,149 1,054 19,306 19,306 外部顧客への売上高 17,102 1,149 1,054 19,306 19,306 17,102 1,149 1,054 19,306 19,306 セグメント利益又は損失(△) 3,870 △ 424 35 3,481 △ 4,158 △ 677 セグメント資産 11,298 1,696 362 13,356 12,879 26,236 その他の項目 減価償却費 18 35 54 404 458 有形固定資産及び無形固定資産の増加額 734 734 636 1,370 (注)1.調整額は以下のとおりであります。
主要な顧客・販売先
3.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合 相手先 前連結会計年度 当連結会計年度 金額(百万円) 割合(%) 金額(百万円) 割合(%) エネルギーパワー株式会社 2,641 13.7 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであり、将来生じる実際の結果と異なる可能性がありますのでご留意ください。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.経営成績の状況の分析 経営成績の状況の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりです。 b.財政状態の状況の分析 財政状態の状況の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりです。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの主な資金需要は、岡山県玉野市にある自社工場「Power Base」における製造ライン及び製造管理システムへの投資、製品生産に用いる原材料等の購入、及び人件費等の諸経費の支払いであります。資金調達については現在、金融機関からの借入れ、または新株発行等によっております。資金調達の基本的な方針として、運転資金は自己資金及び金融機関からの借入により調達し、設備投資の必要性が生じた際には投資金額、手元資金、資本コスト等を総合的に考慮して最適な手段により調達することとしております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。経営者は債権、固定資産の減損、繰延税金資産、引当金等に関する会計上の見積り及び判断について、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、継続して評価を行っており、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。会計上の見積りは、その性質上、入手しうる情報や判断に基づいて行うため、実際の結果は異なる場合があります。重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。…
リスク開示の整理
リスク開示注意度: 3 / 5
有報ナビによる整理
経済情勢の悪化や政府のエネルギー政策変更による影響、原材料(特に中国からの特定仕入先への依存)の調達リスク、為替変動によるコスト増、競合他社との価格競争、技術革新による優位性の喪失、契約履行における納期遅延や顧客財務状況の変化による収益計上遅れ、製造委託先の変更に伴う生産への支障、創業者への過度な依存、災害時の拠点集中リスク、製品保証責任の発生、法規制遵守、情報セキュリティ、訴訟リスク、ブランド毀損リスクなど。 対応策:代替仕入先の確保に向けた検討、為替予約によるコスト抑制、品質管理体制、BCP策定、製品保証引当金の計上、情報セキュリティ対策。