事業の内容
抜粋表示
/ 原文長 約3938文字
3【事業の内容】 当社グループは「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンの基、デジタル化が進んでいない伝統的な業界にインターネットを用いて新しい仕組みを創り、既存のビジネス慣習を変えていくことで、当社グループの主な顧客である国内の企業・個人事業主の経営をより良くすることを目指し、事業を展開しております。 当社グループは当社及び関係会社9社で構成され、その主な事業内容と当社及び主な関係会社の当該事業に係る位置づけは次のとおりであります。なお、以下に示す事業区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 セグメント 主な事業内容 主な関係会社 ラクスル 以下に掲げるプラットフォーム(ECサイト)の開発・運営その他これらに付随するサービス ①印刷・集客支援の受発注プラットフォーム「ラクスル」 ②段ボール・梱包材の受発注プラットフォーム「ダンボールワン」 ③印鑑・スタンプの受発注プラットフォーム「ハンコヤドットコム」 ④トートバッグの受発注プラットフォーム「トートバッグ工房」 株式会社ラクスルファクトリー 株式会社ハンコヤドットコム 株式会社エーリンクサービス ノバセル テレビCM・動画広告のプラットフォーム「ノバセル」の開発・運営その他これらに付随する広告代理店事業とマーケティングDX事業 ノバセル株式会社 株式会社Wild Side 株式会会社Antoo インターネットの普及及び技術革新により、既存産業におけるサプライヤー(当社の場合、印刷事業における提携印刷会社や配布会社)を統合するコストが大幅に低下しました。当社グループは、産業ごとにプラットフォームを創出することで、1社が全ての製造及び販売機能を持つのではなく、サプライヤーと顧客の需給を効率良く結び付ける産業形態の在り方を提示したいと考えております。 (1) ラクスルセグメント [事業系統図] 印刷業界全体の市場規模は4.6兆円(注1)と大きなものでありますが、市場に1.3万社以上(注2)もの中小印刷会社が存在しており、供給過多になっているため、印刷機の実際の稼働率は低い水準にあると考えております。また、印刷機によって印刷できる印刷物が異なるため、自社で刷れないものは他の印刷会社に依頼するという“まわし仕事”が発生するといった非効率が残っているのが現状であります。 インターネットを使って全国の顧客から印刷の注文を集め、その注文をネットワークとして築いている印刷会社に発注し、印刷機の非稼働時間を使って印刷をする仕組みを開発、提供しております。具体的には、まず、顧客が「ラクスル」のウェブサイト上で印刷物の部数や納期等を選び、印刷データをアップロードします。…
経営方針・経営戦略・対処すべき課題
抜粋表示
/ 原文長 約4384文字
(2) 経営戦略等 今後の中長期的な方向性としては、当社の主要事業であるBtoB向けEC事業を軸に、既存アセットを活用し、ソフトウェアやファイナンス領域におけるサービスを提供していくことにより、End-to-Endで中小企業の経営課題を解決するテクノロジープラットフォームを運営します。また、成長モメンタムは継続しながらも、より一層利益とキャッシュ・フロー創出を伴った成長モード“Quality Growth”を目指します。具体的な経営戦略は以下のとおりであります。 当社グループの企業ビジョンと事業展開方針 (当社グループの経営ビジョンと事業概要) 当社グループは、上記のビジョンの下、顧客ニーズと提携会社の余剰キャパシティ(注1)を繋ぐプラットフォームの運営を行っております。併せて、顧客のマーケティングを支援するSaaS事業を運営しております。 (当社グループサービスの意義:産業にもたらす変革) 印刷をはじめとする20世紀に築かれた産業は、資本を持つ大企業が莫大な費用を投じて製造設備を購入し、その製造キャパシティを営業が販売し、過剰に販売した部分を繋がりのある下請けに回すといった、大企業を頂点とする多重下請けのピラミッド型の産業構造を作り上げました。しかし、インターネットの普及及び技術革新により、既存産業におけるサプライヤー(注2)を統合するコストが大幅に低下しました。当社グループは、この多重下請け構造下にある中小印刷会社をインターネットで結びつけ、仮想的に巨大な供給キャパシティを持ち、ECサイトを通じて直接発注者と繋げるシェアリングプラットフォームを創出することで、1社が製造から販売まで全ての機能を持つ産業形態ではなく、サプライヤーと顧客の需給を効率良く結び付ける21世紀型の産業形態の在り方を提示したいと考えております。当社グループが産業にもたらす変革の例は以下のとおりであります。 ・垂直統合から水平統合への変革 (例)印刷業界:自社グループ内で、営業部門、印刷工場、研究開発部門等を保有する垂直統合の形態から、プラットフォームにより各社が保有する印刷工場を水平統合する形態への変革 ・自社グループ1社での設備投資から、水平統合による巨大なキャパシティへの変革 ・ピラミッド型の多重下請け構造からネットワーク型のプラットフォームへの変革 (例)印刷業界:顧客から受注を行う大手印刷会社が中小印刷会社に実際の印刷業務を委託する多重下請け構造からの変革 (BtoBのプラットフォームとしてのユニークなポジショニング) 当社グループは、事業者と事業者を繋ぐBtoBのプラットフォームとして既存産業の革新を実現するという、ユニークなポジショニングを目指しております。…
対処すべき課題
抜粋表示
/ 原文長 約1965文字
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」を企業ビジョンとし、デジタル化が進んでいない既存の産業をインターネットにより効率化し、大企業中心に垂直統合で成立していた産業構造を、プラットフォーム中心の水平分業された産業構造にアップデートするため、以下の課題に取り組んでまいります。 ①国内印刷EC市場の拡大 当社グループの主力事業であるラクスルセグメントが属する国内印刷EC市場は、年々拡張しております。EC化率の継続的な上昇を背景に急速な成長を続ける国内印刷EC市場の中で、リーディングカンパニーとして市場を牽引する立場であり続けることが当社グループの成長においても重要であると考えております。 ②サービスの認知度向上、新規ユーザーの獲得 当社グループが今後も高い成長率を持続していくためには、当社グループサービスの認知度を向上させ、新規ユーザーを獲得することが必要不可欠であると考えております。従来より、積極的な広報活動に加え、インターネットを活用したマーケティング・広告活動、大手企業との提携等により認知度向上に向けた取り組みを行ってまいりましたが、今後、これらの活動をより一層強化・推進してまいります。 ③顧客ニーズ充足を意識した商品ラインナップ拡充 当社グループにおける顧客基盤の拡大に伴い、顧客ニーズも多様化いたします。多様化する顧客ニーズを的確に捉え、一般的にロングテールといわれる購買頻度の少ない商品も含めた取扱商品の拡大を推進するとともに、新規カテゴリーへの拡張、更なる顧客基盤の拡大へとつなげていくことが重要であると考えております。 ラクスルセグメントにおいては、販促・ノベルティ印刷を中心に商品ラインナップの拡充を継続的に進めております。ノバセルにおいては、WEB広告にも裾野を広げており顧客に多くの選択肢を提供できるようになりました。 ④事業拡大と収益性向上を両立した事業運営 ラクスルセグメントの事業モデルの特長の一つに、全国の印刷会社と提携し、各会社における印刷機の非稼働時間を活用することで、効率性の高い生産体制を維持している点があります。事業基盤が拡大するにつれて提携印刷会社数及び一会社当たりへの発注量も増えていきますが、提携印刷会社との綿密なコミュニケーション及び協業により、事業が拡大していく中でも低価格かつ安定した品質の商品を継続して提供してまいります。 ⑤取引データの蓄積・解析体制の強化 当社グループ事業での取引の情報は、日々当社グループデータベースに蓄積されております。注文情報や商品構成等、ユーザーの動きを把握し、PDCAサイクルを高速で回せる仕組みを整備しておりますが、より高度なデータ活用を行っていく必要があると考えております。…
経営成績・財政状態の概況
抜粋表示
/ 原文長 約3304文字
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の分類が2類から5類へ移行するなど収束へ向けた動きが加速し、個人消費の拡大や海外からの渡航者の増加等、社会・経済活動の正常化に向け緩やかな持ち直しの傾向が見られました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢の悪化といった地政学的なリスクの顕在化に伴う緊張感の高まりによる資源価格の高騰に加えて、記録的な水準で円安が進行するなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような状況の中、当社グループは、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンの下、主に印刷・集客支援のプラットフォーム「ラクスル」、テレビCM・動画広告をはじめとするマーケティングプラットフォーム「ノバセル」を運営してまいりました。 当連結会計年度から代表取締役の変更もあり、ラクスルグループにとって第二創業期に入りました。複数の事業を運営する中で、オーガニックの成長だけでなく、連続的なM&Aによる拡張を通じて更なる事業成長、ひいては企業価値の創出をより一層加速させております。 当連結会計年度においては、商材の拡張を目的とするM&Aや原価低減などの収益性改善を目的とするM&Aを連続的に行い、早期のシナジー創出のためにPMIに注力したほか、子会社を吸収合併することで事業成長をより一層促進するなど、新たなグループ作りに向けて積極的な動きをしております。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は51,121百万円(前年同期比24.6%増)、営業利益は2,523百万円(前年同期比42.9%増)、経常利益は2,041百万円(前年同期比74.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,118百万円(前年同期比59.4%増)となりました。 セグメント毎の状況は、次のとおりであります。 ラクスルセグメント 「ラクスル」においては、ラクスルエンタープライズが導入企業社数2,000社を突破するなど既存事業がオーガニックな成長を続ける中、株式会社ラクスルファクトリー、株式会社AmidAホールディングス(現、株式会社ハンコヤドットコム)、株式会社エーリンクサービスの株式取得を通じて、商材の拡張や収益性の改善に向けた取り組みを行っており、連続的なM&Aによる拡張も実現しております。 この結果、売上高は47,097百万円(前年同期比24.8%増)、セグメント利益は5,139百万円(前年同期比38.8%増)となりました。…
セグメント関連
抽出本文
/ 原文長 約696文字
3.報告セグメントごとの売上高及び利益又は損失の金額に関する情報並びに収益の分解情報 前連結会計年度(自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) (単位:百万円) 報告セグメント その他 合計 調整額 連結財務諸表計上額 ラクスル ノバセル 印刷・ソリューション領域 17,743 17,743 17,743 17,743 ビジネスサプライ周辺領域 12,514 12,514 12,514 12,514 梱包材領域 7,493 7,493 7,493 7,493 その他の領域 2,652 2,652 614 3,267 3,267 顧客との契約から生じる収益 37,751 2,652 40,403 614 41,018 41,018 その他の収益 売上高 外部顧客への売上高 37,751 2,652 40,403 614 41,018 41,018 セグメント間の内部売上高又は振替高 32 42 △ 42 37,756 2,656 40,413 647 41,060 △ 42 41,018 セグメント利益又は損失(△) 3,701 △ 15 3,686 176 3,862 △ 2,097 1,765 セグメント資産 9,914 1,903 11,817 30 11,848 20,817 32,665 その他の項目 減価償却費 197 11 208 214 17 231 有形固定資産及び無形固定資産の増加額 69 62 132 133 31 165 (注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、システム構築支援事業等を含んでおります。
主要な顧客・販売先
抜粋表示
/ 原文長 約2304文字
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。 (3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のためこれらの見積りと異なる場合があります。 当社グループが財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.売上高 当連結会計年度の売上高は、51,121百万円(前年同期比24.6%増)となりました。国内経済活動の正常化への動きもありながら、連続的なM&Aによる領域や商材の拡張を経て、各事業は堅調に拡大しております。 b.売上原価、売上総利益 当連結会計年度の売上原価は、33,929百万円(前年同期比18.1%増)となりました。この結果、売上総利益は17,192百万円(前年同期比39.8%増)となりました。当社グループは、売上総利益を「プラットフォームの価値を示す、付加価値の総和」として最重要の指標と位置付けております。セグメント毎に利益率が異なるため全社合計での絶対額の増加及び対前年同期比の増加率を重視しております。 「ラクスル」においては、プライシングの最適化を実施し、サプライヤーの生産性や原価改善支援、資材の共同調達による原価改善を行っております。「ノバセル」においては、SaaS事業の拡大のほか、当連結会計年度中に新たに取得した子会社を通じて原価改善が図られております。これらが売上総利益率の改善及び売上総利益額の増加に寄与しております。 c.販売費及び一般管理費、営業利益 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、14,668百万円(前年同期比39.3%増)となりました。…