事業の内容
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/ 原文長 約12647文字
3 【事業の内容】 (1) 事業の背景 ①キナーゼへの着目 人ががん疾患、リウマチなどの免疫炎症疾患、アルツハイマー病などの神経変性疾患になると、体内では細胞の異常な増殖、分化が起こっています。この原因と考えられている分子のひとつに、細胞内外の情報伝達をつかさどるキナーゼ(*)と呼ばれる酵素があります。このキナーゼによるシグナル伝達が正常でない場合、細胞においてさまざまな異常をきたし病気につながることが知られています。当社は、このキナーゼに焦点をあてて、画期的な新薬の創製を目指し研究開発を行っております。 ②キナーゼ阻害薬の活躍 がん、炎症、リウマチなどの異常な細胞の増殖を伴う疾患では、それら細胞のなかに存在する特定のキナーゼ(*)がそれら細胞の異常な増殖や分裂を引き起こしていることについて明らかになっていました。しかしながら、キナーゼは細胞の生命機能において大変重要な働きを担っているため、キナーゼを阻害する薬は副作用が強いのではないかと懸念されていました。 その流れを変えたのが、平成13(2001)年に米国で販売が開始されたBCR-ABLチロシンキナーゼを阻害する慢性骨髄性白血病治療薬のグリベック® (一般名:イマチニブ、製造販売元:Novartis AG)の成功です。この成功により、特定のキナーゼ(*)の働きのみを抑制する、安全で有効な分子標的治療薬(*)の研究が製薬企業で活発に進められるようになり、その後、タルセバ®(一般名:エルロチニブ、製造販売元:OSI Pharmaceutical Inc.・Genentech, Inc.、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤)、ネクサバール®(一般名:ソラフェニブ、製造販売元: Bayer AG・Onyx Pharmaceuticals,Inc. 、マルチターゲット型キナーゼ阻害剤)、スーテント®(一般名:スニチニブ、製造発売元:Pfizer Inc.、マルチターゲット型キナーゼ阻害剤)、スプリセル®(一般名:ダサチニブ、製造発売元:Bristol-Myers Squibb, Co. 、BCR-ABL及びSRCファミリーチロシンキナーゼのデュアル阻害剤)、ALK融合遺伝子を標的としたザーコリ®(一般名:クリゾチニブ、製造発売元:Pfizer Inc. )、イムブルビカ®(一般名:イブルチニブ、製造発売元:Janssen Pharmaceuticals, Inc.、BTK阻害薬)ならびにイブランス®(一般名:パルボシクリブ、製造発売元:Pfizer Inc.、CDK4/6阻害剤)と、次々に大型のキナーゼ阻害薬(*)が誕生し、多くの患者に届けられています。また、がん疾患のみならず免疫炎症疾患を対象としたゼルヤンツ®(一般名:トファシチニブ、製造発売元:Pfizer Inc. )が、米国FDA(U.S.…
経営方針・経営戦略・対処すべき課題
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/ 原文長 約2753文字
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 以下の記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社経営の基本方針 当社グループは、経営の基本理念である「人々の生命を守り、健康に貢献することを目指します。」を基に、人々の生命を守り、そして人々の健康に資する「創薬」に貢献することを経営の基本方針としております。 また、「創薬」に貢献することにより、ステークホルダーとの深い信頼関係のもと、企業価値向上に努めてまいります。 (2)目標とする経営指標 創薬支援事業については、安定的に収益を獲得する基盤事業として、継続的な事業成長と収益基盤の拡大を図るため、売上高伸び率、売上総利益率及び営業利益を重要な経営指標としております。 創薬事業については、医薬品候補化合物の導出後の安定的な収益を獲得するまでに相応の期間を要するため、短期的な経営指標で業績評価を行うことは適切でありません。当社が導出した創薬パイプラインの医薬品候補化合物が規制当局により承認を受け患者のもとに届けられるまでの今後の見通しが公表できる段階で、株主資本の効率的活用を重視する観点から、ROE(株主資本利益率)などを経営指標として用いて、事業計画、経営成績ならびに企業価値の周知に努めてまいります。 (3)中長期の経営戦略および財務戦略について 当社グループは、創薬事業において創製した医薬品候補化合物が、導出先の製薬企業等による製造販売承認を経て医薬品として上市(*)され、その売上に係るロイヤリティ収入により安定的な財務基盤を構築し、画期的な医薬品を永続的に世に送り出すことを通して人々の健康に貢献することを目指しております。 そのために当社は、現在前臨床段階にあるパイプラインを早期に臨床試験段階へステージアップを図り、自社臨床試験を実施することにより当社創薬パイプラインの価値を最大化し、複数の臨床試験段階のパイプラインを有する創薬ベンチャーとなることで、当社の企業価値を高めてまいります。当社において、従前は早期に大手製薬企業等へ導出することを基本方針として注力しておりましたが、現在は当社で臨床試験を実施し創薬パイプラインの価値を最大限に高めたうえで導出することを中期的な経営の基本方針として掲げています。それと並行して、医薬品開発の競合状況や導出先製薬企業とのタイミングを見計らいながら、当社にとって最大価値を生み出せるよう戦略的かつ臨機応変に導出交渉に取り組んでまいります。 当社グループの財務戦略においては、長期にわたる研究開発を行うための強固な財務基盤を保つために、手許資金については高い流動性と厚めの資金量を確保及び維持することを基本方針としております。…
対処すべき課題
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/ 原文長 約2753文字
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 以下の記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)会社経営の基本方針 当社グループは、経営の基本理念である「人々の生命を守り、健康に貢献することを目指します。」を基に、人々の生命を守り、そして人々の健康に資する「創薬」に貢献することを経営の基本方針としております。 また、「創薬」に貢献することにより、ステークホルダーとの深い信頼関係のもと、企業価値向上に努めてまいります。 (2)目標とする経営指標 創薬支援事業については、安定的に収益を獲得する基盤事業として、継続的な事業成長と収益基盤の拡大を図るため、売上高伸び率、売上総利益率及び営業利益を重要な経営指標としております。 創薬事業については、医薬品候補化合物の導出後の安定的な収益を獲得するまでに相応の期間を要するため、短期的な経営指標で業績評価を行うことは適切でありません。当社が導出した創薬パイプラインの医薬品候補化合物が規制当局により承認を受け患者のもとに届けられるまでの今後の見通しが公表できる段階で、株主資本の効率的活用を重視する観点から、ROE(株主資本利益率)などを経営指標として用いて、事業計画、経営成績ならびに企業価値の周知に努めてまいります。 (3)中長期の経営戦略および財務戦略について 当社グループは、創薬事業において創製した医薬品候補化合物が、導出先の製薬企業等による製造販売承認を経て医薬品として上市(*)され、その売上に係るロイヤリティ収入により安定的な財務基盤を構築し、画期的な医薬品を永続的に世に送り出すことを通して人々の健康に貢献することを目指しております。 そのために当社は、現在前臨床段階にあるパイプラインを早期に臨床試験段階へステージアップを図り、自社臨床試験を実施することにより当社創薬パイプラインの価値を最大化し、複数の臨床試験段階のパイプラインを有する創薬ベンチャーとなることで、当社の企業価値を高めてまいります。当社において、従前は早期に大手製薬企業等へ導出することを基本方針として注力しておりましたが、現在は当社で臨床試験を実施し創薬パイプラインの価値を最大限に高めたうえで導出することを中期的な経営の基本方針として掲げています。それと並行して、医薬品開発の競合状況や導出先製薬企業とのタイミングを見計らいながら、当社にとって最大価値を生み出せるよう戦略的かつ臨機応変に導出交渉に取り組んでまいります。 当社グループの財務戦略においては、長期にわたる研究開発を行うための強固な財務基盤を保つために、手許資金については高い流動性と厚めの資金量を確保及び維持することを基本方針としております。…
経営成績・財政状態の概況
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/ 原文長 約4302文字
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済は、米中の貿易摩擦の影響や欧州における経済の減速感などから不透明な状況で推移しました。わが国における経済は、雇用環境の改善により堅調に推移していたものの、年度末における株式市場の低迷や消費増税への懸念などから不透明な状況が現れてまいりました。 当社グループが属する製薬業界におきましては、分子標的薬の米国FDA(Food and Drug Administration)による新薬の承認数は2017年度において46件と前年度比で2倍以上となり、そのうち低分子の分子標的薬の承認数は60%を超える等、当社が研究開発を行っている低分子のキナーゼ阻害薬(*)を含めた分子標的薬(*)の研究開発は依然活況を呈しています。さらに、FDAにより承認された上記新薬のうちBreakthrough Therapy(画期的治療薬)の指定を受けたものが3分の1を超えており、非常に有効性の高い新薬の承認が相次いでおります。特に、がん領域において免疫チェックポイント阻害薬の相次ぐ承認、がん種の拡大、それらに加えて免疫チェックポイント阻害薬とキナーゼ阻害薬との併用療法による治験が活発に行われており、がんを標的とした分子標的薬の研究開発は新たな段階に突入しております。 このような状況下、当社グループは、当社のキナーゼ阻害薬(*)の創薬に係る創薬基盤技術を駆使して開発したがんを標的とするCDC7阻害剤AS-141 (Sierra Oncology, Inc. の開発コード:SRA141)の導出に成功しております。導出先であるSierra Oncology社は、SRA141の米国におけるIND申請(新薬臨床試験開始届)に関係する一連のプロセスを成功裏に完了しており、大腸がんを対象とした治験開始(フェーズ1/2)に向けた準備を進めています。当該フェーズⅠ試験においてSRA141が最初の患者に投与されたときに、マイルストーンとして4百万ドルが当社に支払われます。その後も、本プログラムの進捗に応じたマイルストーンが当社に支払われます(マイルストーン総額で最大270百万ドル)。また上市後は、売上高に応じた一桁の段階的ロイヤリティが当社に支払われます。 さらに、大型新薬(ブロックバスター)の可能性がある当社の2つのBTK阻害薬プログラムが前臨床試験段階にあり、欧米での治験申請に向けた研究開発を積極的に進めております。リウマチなどの免疫炎症疾患を標的としたBTK阻害剤AS-0871については、GLP基準(*)での安全性試験を実施しており、早期の臨床試験開始を目指して、外部機関と連携しながら前臨床試験を進めております。…
セグメント関連
抽出本文
/ 原文長 約1058文字
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報 前連結会計年度(自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) (単位:千円) 報告セグメント 調整額 (注)1 連結財務諸表 計上額 (注)2 創薬支援事業 創薬事業 売上高 外部顧客への売上高 657,516 657,516 657,516 セグメント間の内部 売上高又は振替高 657,516 657,516 657,516 セグメント利益又は損失(△) 142,804 △ 841,864 △ 699,060 △ 699,060 セグメント資産 293,448 34,867 328,316 1,862,070 2,190,386 その他の項目 減価償却費 6,712 5,402 12,114 12,114 有形固定資産及び 無形固定資産の増加額 4,294 14,579 18,873 18,873 (注) 1.セグメント資産の調整額1,862,070千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であります。その主なものは、提出会社の余資運用資産(現金及び預金)等であります。 2.セグメント利益又は損失の金額は、連結損益計算書の営業損失と一致しており差額はありません。 当連結会計年度(自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日) (単位:千円) 報告セグメント 調整額 (注)1 連結財務諸表 計上額 (注)2 創薬支援事業 創薬事業 売上高 外部顧客への売上高 704,691 50,000 754,691 754,691 セグメント間の内部 売上高又は振替高 704,691 50,000 754,691 754,691 セグメント利益又は損失(△) 117,468 △ 1,261,987 △ 1,144,519 △ 1,144,519 セグメント資産 286,190 116,976 403,167 1,366,922 1,770,090 その他の項目 減価償却費 7,992 4,724 12,716 12,716 有形固定資産及び 無形固定資産の増加額 7,323 51,101 58,425 58,425 (注) 1.セグメント資産の調整額1,366,922千円は、各報告セグメントに配分していない全社資産であります。その主なものは、提出会社の余資運用資産(現金及び預金)等であります。 2.セグメント利益又は損失の金額は、連結損益計算書の営業損失と一致しており差額はありません。
主要な顧客・販売先
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/ 原文長 約1263文字
4) 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称 販売高(千円) 前年同期比(%) 創薬支援事業 704,691 107.2 創薬事業 50,000 合計 754,691 114.8 (注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先 前連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) 当連結会計年度 (自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日) 販売高(千円) 割合(%) 販売高(千円) 割合(%) 小野薬品工業株式会社 144,483 22.0 90,294 12.0 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成において、損益又は資産の状況に影響を与える見積りの判断は、一定の会計基準の範囲内において過去の実績やその時点での入手可能な情報に基づき合理的に行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたり採用した会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。 ② 当社グループの損益構造について 当社グループは、キナーゼ阻害薬(*)等を創製するための研究開発ならびにその基盤となる技術である「創薬基盤技術」を強化するための研究開発へ積極的に先行投資し、将来の飛躍的な成長を目指しております。そのための研究開発に係る費用は、創薬支援事業が生み出すキャッシュ・フロー及び創薬事業における導出契約やマイルストーン達成に基づく一時金収入、ならびに資本市場等から調達した資金等により充当しております。 創薬支援事業の業績は黒字を継続し安定的に推移しているものの、創薬事業からの収益は、導出契約の成否、導出先製薬企業等における開発(*)の進捗、導出活動の進捗及び当社の研究開発の進捗等により影響を受け安定的でないことから、当社グループの短期的な損益については赤字となる傾向があります。 しかしながら、当社グループは、中長期的な経営方針に基づき、さらなる成長軌道に乗せ、当社の企業価値を高めるために、積極的に当社創薬事業に先行投資を行い、研究開発を推し進めてまいります。…