事業の内容
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/ 原文長 約5731文字
3【事業の内容】 当社は、「医療の質的変化をもたらすティッシュエンジニアリングをベースに、組織再生による根本治療を目指 し、21世紀の医療そのものを変えてゆく事業を展開する」ことを会社設立の趣旨とする企業であり、再生医療等製品の開発、製造、販売を行う再生医療製品事業、再生医療に関する開発及び製造等を受託する再生医療受託事業、研究用ヒト培養組織の開発、製造、販売を行う研究開発支援事業を展開しています。 当社は、富士フイルムグループに属しており、親会社である富士フイルムより 再生医療等製品 の開発を受託しています。 [事業の系統図] (1)当社事業の根幹となる技術 近年、細胞培養や生体材料工学等の技術進歩により、生物から採取した細胞を用いて、性質の改変、体外での培養、組織・臓器の再形成、新たな機能の付加あるいは機能の修復等が試みられるようになりました。このような要素技術を利用して組織の再生を実現するための技術がティッシュエンジニアリングと呼ばれるものであり、当社事業の根幹となる技術です。 ティッシュエンジニアリングを実現するためには、生きた細胞、人工的に作られた材料・素材、細胞や生体に影響をもたらす種々の生理活性物質が必要であり、医学・工学・理学・薬学等の異分野間の国際的な研究交流が必要とされます。我が国では、ティッシュエンジニアリングにより作り出された組織や臓器を製品として医療目的で製造・販売するためには、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(医薬品医療機器等法)のもとで、厚生労働省からの許認可が必要になります。この許認可には、製造管理及び品質管理に関する基準が含まれており、当社が保有している製造施設・設備、創業以来の研究開発活動で培ってきた製造方法、品質管理に関するノウハウ、そして販売に関する組織体制やノウハウも、当社事業の根幹となる技術であるといえます。 また、細胞培養に用いる細胞は、その由来に応じて、自家細胞(本人)、同種細胞(本人以外)、異種細胞(ヒト以外の動物)に分類されますが、自家移植は、一般的に免疫拒絶反応が少なく、生体への生着能が高いといわれています。 当社は、当該技術を活用することにより、ヒトの細胞を培養して組織や臓器を作り出し、これを医療用途及び研究用途に提供することを目的として事業を展開しています。 (2)再生医療製品事業 再生医療とは、従来の薬物治療とは異なり 、われわれの身体に備わっている組織の再生能力を引き出すことにより、失われた組織や臓器の機能を細胞を使って回復させることに主眼をおいた医療です。当社は、ティッシュエンジニアリングを利用した再生医療等製品を開発し、当該製品を医療機関向けに医療目的で製造販売しています。…
経営方針・経営戦略・対処すべき課題
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/ 原文長 約4774文字
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。ただし、新型コロナウイルスの影響に基づく記載については、当事業年度末以降、現在までに当社が判断した最新のものを記載しています。 (1)経営方針 当社は、「医療の質的変化をもたらすティッシュエンジニアリングをベースに、組織再生による根本治療を目指し、21世紀の医療そのものを変えてゆく事業を展開する。」ことを会社設立の趣旨とし、企業理念である「再生医療の産業化を通じ、社会から求められる企業となる。法令・倫理遵守の下、患者のQOL(生活の質)向上に貢献することにより、人類が生存する限り成長し続ける企業となる。その結果、全てのステークホルダーがより善く生きることを信条とする。」に基づいて、再生医療製品事業、再生医療受託事業及び研究開発支援事業を展開しています。 (2)経営戦略 基本方針:再生医療のさらなる普及に向けた、新製品の開発ならびに生産技術革新・販売力強化を推進する ①新規再生医療等製品の開発 1.皮膚・軟骨・角膜・がん領域における市場規模の大きい疾患を対象とし、普及型医療を実現するとともに売上を飛躍的に向上させる。 2 .当社の手がける3番目の製品である自家培養角膜上皮「ネピック」の製造販売体制を確実に立ち上げ、今後の新規製品の展開に向けた試金石とする。 ②より多くの需要に備えた生産革新と販売力強化 1.自家細胞製品の大量受注・安定供給のため、これまで蓄積してきた培養技術と富士フイルムのエンジニアリング技術を融合し、革新的な生産技術・生産体制を確立する。 2.販売数量の増加に効率的に対応できる、再生医療の営業戦略・営業手法を確立するとともに、当該製品がより適切に使用されるよう情報の収集・提供の仕組みを再整備する。 ③既存事業の伸長による事業基盤の強化 1.上記の販売力強化に加え、自家培養表皮ジェイスでは使用枚数制限、自家培養軟骨ジャックでは施設基準の緩和を目指し、売上を伸ばす。 2.受託事業はこれまで獲得した案件を成功に導くとともに、これら実績を梃子にさらなる良質な新規案件を獲得する。加えて、当該事業モデルの一般化・標準化を目指す。 3.ヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞「F-hiSIEC」や3D解析ソフト「SYNAPSE VINCENT」等で実現した富士フイルムとの協業を一層加速する。 (3)経営環境 2012年に京都大学iPS細胞研究所 所長 山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したことを契機に、我が国は再生医療を成長戦略の一つとして位置付けました。…
対処すべき課題
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/ 原文長 約4774文字
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。ただし、新型コロナウイルスの影響に基づく記載については、当事業年度末以降、現在までに当社が判断した最新のものを記載しています。 (1)経営方針 当社は、「医療の質的変化をもたらすティッシュエンジニアリングをベースに、組織再生による根本治療を目指し、21世紀の医療そのものを変えてゆく事業を展開する。」ことを会社設立の趣旨とし、企業理念である「再生医療の産業化を通じ、社会から求められる企業となる。法令・倫理遵守の下、患者のQOL(生活の質)向上に貢献することにより、人類が生存する限り成長し続ける企業となる。その結果、全てのステークホルダーがより善く生きることを信条とする。」に基づいて、再生医療製品事業、再生医療受託事業及び研究開発支援事業を展開しています。 (2)経営戦略 基本方針:再生医療のさらなる普及に向けた、新製品の開発ならびに生産技術革新・販売力強化を推進する ①新規再生医療等製品の開発 1.皮膚・軟骨・角膜・がん領域における市場規模の大きい疾患を対象とし、普及型医療を実現するとともに売上を飛躍的に向上させる。 2 .当社の手がける3番目の製品である自家培養角膜上皮「ネピック」の製造販売体制を確実に立ち上げ、今後の新規製品の展開に向けた試金石とする。 ②より多くの需要に備えた生産革新と販売力強化 1.自家細胞製品の大量受注・安定供給のため、これまで蓄積してきた培養技術と富士フイルムのエンジニアリング技術を融合し、革新的な生産技術・生産体制を確立する。 2.販売数量の増加に効率的に対応できる、再生医療の営業戦略・営業手法を確立するとともに、当該製品がより適切に使用されるよう情報の収集・提供の仕組みを再整備する。 ③既存事業の伸長による事業基盤の強化 1.上記の販売力強化に加え、自家培養表皮ジェイスでは使用枚数制限、自家培養軟骨ジャックでは施設基準の緩和を目指し、売上を伸ばす。 2.受託事業はこれまで獲得した案件を成功に導くとともに、これら実績を梃子にさらなる良質な新規案件を獲得する。加えて、当該事業モデルの一般化・標準化を目指す。 3.ヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞「F-hiSIEC」や3D解析ソフト「SYNAPSE VINCENT」等で実現した富士フイルムとの協業を一層加速する。 (3)経営環境 2012年に京都大学iPS細胞研究所 所長 山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したことを契機に、我が国は再生医療を成長戦略の一つとして位置付けました。…
経営成績・財政状態の概況
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/ 原文長 約7585文字
3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当事業年度(2019年4月1日から2020年3月31日)における我が国経済は、米中貿易摩擦の激化や、英国の欧州連合(EU)からの離脱問題などのリスクによる不透明感、消費税増税の反動減による個人消費の落ち込みや、台風など自然災害によるマイナス影響はあったものの、人手不足を背景に雇用・所得環境の改善が続き、国内景気は緩やかな回復基調が続いていました。しかしながら、2020年に入り、オリンピック・イヤーを迎えて盛り上がりを見せた矢先、中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎が世界規模で拡大し、先行きへの不安感から世界の金融・証券市場で急速に株安が進むなど、リーマン・ショックを上回るコロナショックとして大きな混乱をもたらしました。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、世界各国・地域で入国や行動を制限する動きが広がったことで人・モノの動きが滞り、実体経済へも急速に悪影響を及ぼし始めました。 再生医療・細胞治療分野では、がん免疫療法として注目を集めているCAR-T細胞治療薬(ノバルティスファーマ販売名:キムリア)が2019年5月に保険収載され(価格は1回3,349万円)、慢性動脈閉そく症による皮膚潰瘍治療を目的とした再生医療等製品(アンジェス 販売名:コラテジェン)が、わが国初の遺伝子治療用製品として同年8月に保険収載されました(価格は1回60万円)。また、2020年3月には、角膜上皮幹細胞疲弊症治療を目的とした再生医療等製品(当社 販売名:ネピック)と、脊髄性筋萎縮症に対する遺伝子治療用製品(ノバルティスファーマ 販売名:ゾルゲンスマ)が承認されました。いくらかの開発品目で申請を取り下げた製品もありますが、承認された製品のような革新的な医療技術が治療に適用され、患者への福音となることへの期待が高まっています。 我が国の新たな再生医療関連規制・制度について、諸外国から注目されるようになってきました。とりわけ、再生医療等製品の早期承認制度である『条件および期限付き承認』には様々な意見が寄せられています。さらに、これらの高度医療が保険財源を圧迫するとの懸念も高まっています。再生医療がより現実になるにつれ、解決すべき課題も徐々に顕在化してきました。 医療環境については、2020年に入って以降、新型コロナウイルス感染者の急激な増加や医療従事者の感染等による医療崩壊が懸念されており、その他の疾患治療への影響も深刻になってきています。…
セグメント関連
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/ 原文長 約1419文字
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報 前事業年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) (単位:千円) 報告セグメント 調整額 (注1) 財務諸表 計上額 再生医療 製品事業 再生医療 受託事業 研究開発 支援事業 売上高 外部顧客への売上高 1,404,095 835,601 118,220 2,357,918 2,357,918 セグメント間の内部売上高又は振替高 1,404,095 835,601 118,220 2,357,918 2,357,918 セグメント利益又はセグメント損失(△) 329,055 272,454 2,822 604,332 △ 954,077 △ 349,745 セグメント資産 1,479,513 522,763 144,314 2,146,591 6,605,380 8,751,972 その他の項目 減価償却費 68,014 14,400 7,740 90,155 29,520 119,676 有形固定資産及び無形資産の増加額 56,027 12,151 6,375 74,554 24,300 98,854 (注)1.調整額は以下のとおりであります。 セグメント利益又は損失(△)の調整額には、各報告セグメントに配分していない全社費用等が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない新規開発費用、一般管理費であります。 セグメント資産の調整額は、各報告セグメントに配分していない新規開発及び全社資産が含まれております。全社資産は主に現金及び預金、本社建物等であります。 2.セグメント利益は、損益計算書の営業利益と一致しております。…
主要な顧客・販売先
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/ 原文長 約2864文字
2 最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。 相手先 前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) 金額 (千円) 割合 (%) 金額 (千円) 割合 (%) 富士フイルム株式会社 438,758 18.6 375,865 16.3 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 (2)経営 者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態の分析 当事業年度の財政状態の状況につきましては、「 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ②キャッシュ・フローの状況 当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ③資本の財源及び資金の流動性 当社の運転資金需要のうち主なものは、製造費、研究開発費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。 当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。 短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましても、自己資金を基本としております。 また、今後事業活動を行う上での資金需要に対して十分な現預金を確保しておりますので、新型コロナウイルス感染症の影響については軽微であると判断しております。 なお、当 事業 年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は3,046千円となっております。また、当 事業 年度末における現金及び現金同等物の残高は2,150,876千円となっております。 ④セグメントごとの財政状態及び 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社は、再生医療製品事業、再生医療受託事業及び研究開発支援事業を行っております。当事業年度における財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 (a)再生医療製品事業 自家培養表皮ジェイスの売上高は、914,391千円(前年比11.4%減)となりました。前年同期との減少要因は、重傷熱傷の発生数が少なかった影響と先天性巨大色素性母斑の待機患者への治療が一巡した影響によるものであります。…