事業の内容
抜粋表示
/ 原文長 約11682文字
3 【事業の内容】 (1)ビジネスモデルの概要 当社は、「ICT(※1)の活用によって持続可能な医療サービスを社会に提供し続けること」をミッションに、医薬品、医療機器に次ぐ第三の治療法として注目されている「デジタル治療(Digital Therapeutics、以下「DTx」といいます。)」の開発を中心として事業展開を行っております。また、DTxの開発にあたって独自に構築した臨床試験システムを汎用化し、製薬企業、学術研究機関、医療機関、医薬品開発業務受託機関(Contract Research Organization、以下「CRO」といいます。)等の第三者へ提供することで業界全体での創薬プロセスの効率化を、加えて、世の中に膨大に蓄積されている医療データの利活用を目的として開発した機械学習による自動分析システムを製薬企業、学術研究機関等へ提供することで効果的・効率的な医療サービスの実現を目指しております。 当社のセグメントは①自社の治療用アプリ開発で構成される「DTxプロダクト事業」、②汎用臨床試験システムと機械学習自動分析システム並びにこれらシステムを活用したDTx開発支援から構成される「DTxプラットフォーム事業」の2つとなります。 なお、「DTxプロダクト事業」のうち、不眠障害治療用アプリについては、検証的試験(※2)を終了し、現在厚生労働省に製造販売承認申請を行っております。 (ビジネスモデルイメージ図) (2)医薬産業を取り巻く現状と課題 2015年9月の国連サミットにおいてSDGs: Sustainable Development Goalsが採択され、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するための目標が掲げられました。SDGsの目標の中の1つに「すべての人に健康と福祉を」という項目が挙げられており、「持続可能な医療」が世界的にも求められております。 一方で国内に目を向けると、2017年度の医療給付費は39.4兆円と前年度の38.8兆円から1.6%増加し、GDPの7.2%に相当する規模まで拡大しております(出典:国立社会保障・人口問題研究所「平成29年度 社会保障費用統計」)。この医療費の伸びは高齢化の進行によって医療を必要とする人口が増加したこと及び長期の療養が必要になる慢性疾患が増加したことに加えて、高額な医薬品の普及など医療の高度化による影響も強く受けております。 慢性疾患への対応では、DTxと呼ばれる新しい治療法が、コストを抑えながら適切な医療を患者に提供する手段として注目されております。DTxは、スマートフォンのアプリケーションなどの形態をした、ソフトウェアによる治療手段で、規制当局の承認を得た科学的根拠に基づく医療機器である、という点で一般的なヘルスケアアプリケーションとは異なります。…
経営方針・経営戦略・対処すべき課題
抽出本文
/ 原文長 約804文字
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針 現在、我が国の医療は、高齢化と医療の高度化による「社会保障関係予算の増大」と、財政維持のための「社会保障関係費用の抑制」という相反する課題に直面しています。当社の創業者である代表取締役社長の上野太郎は、誰もが必要な時に必要な医療や介護を受けられ、安心して暮らせる社会を創造したいという思いから2015年7月に当社を創業しました。 当社は、そのような創業者の思いのもと、医療が必要な全ての患者に最適な医療を提供し続けることができる、持続可能な社会の実現を目指して、IT技術と臨床現場のニーズとを有機的に融合させ、今までになかったソリューションを提供することで社会への価値を生み出し、現在の状況を変えるべく事業活動を行っております。 創業後は不眠障害をはじめ各疾患を対象とした治療用アプリの開発、汎用臨床試験システム、機械学習自動分析システムなどを通じて、未来に残すべき良質な医療システムを構築してきました。 医療は今後も進行する高齢化社会に向けて、様々な課題の解決や仕組みの整備が求められる分野であり、当社としては、更なるICTの活用及びデータ解析システムの開発を進めることで、医療従事者、患者双方のジレンマの解消、ひいては持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考えております。 (2) 目標とする経営指標 現在、研究開発段階にある当社は、ROA、ROEその他の数値的な目標となる経営指標等は用いておりませんが、DTxプロダクト事業では、長期的視点での収益の最大化のために財務指標に先行する開発パイプラインの件数や臨床試験の進捗率を、DTxプラットフォーム事業では、収益の継続的な増加を実現するため契約件数を重要な経営指標として位置付けております。
対処すべき課題
抽出本文
/ 原文長 約1179文字
(4) 経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題 今後事業及び収益の拡大を図るために当社が対処すべきDTxプロダクト事業での主な課題は、開発中の治療用アプリそれぞれの医療機器承認の取得と十分な収益が確保できる水準での保険収載を確実に実現することであります。併せて、市場ニーズに対応した新たな治療用アプリの開発に着手し、それらを継続的に市場に投入していくことも長期的な課題として認識しております。また、プラットフォーム事業のうち汎用臨床試験システムでの課題は、規制に対応した上で研究開発コストの低減に着実に寄与すること、機械学習自動分析システムでの課題は、長期にわたって利用してもらうために継続的な機能拡充を行うことだと考えております。新型コロナウィルス感染症の拡大は多くの業界で事業運営に影響を及ぼしておりますが、外出自粛、医療機関への通院に対する抵抗感などが医療業界のデジタル化を促進する要因ともなっており、デジタル技術の活用で医療の効率化を目指す当社の事業展開にとってはポジティブな環境となっております。その他、継続的な成長と企業価値の向上を目指す上で対処しなければならない各機能面での課題を以下のように考えております。 (営業活動における課題) 当社は、国内外の製薬企業や医療機関等と友好的かつ経済的な相互関係(共同研究開発体制)を築いており、今後さらなる共同研究開発契約を獲得・推進するために研究開発体制の整備・充実と連動した戦略的な営業活動が重要だと考えております。 (研究開発活動における課題) 当社は、DTxプロダクト事業において治療用アプリの治験システム、治療用アプリを搭載した端末装置、および治療用アプリのプログラムに関する特許技術を保有・活用しており、現時点においては大きな技術的優位性があると考えております。また、DTxプラットフォーム事業に分類される汎用臨床試験システムおよび機械学習自動分析システムは今後の活用に大きな可能性を秘めております。当社は、自社システムの優位性を確保し続けるため、国内外の製薬企業及び学術研究機関等との共同研究を推進しつつ、今後も自社内における研究開発及びその体制の強化を進めてまいります。 (内部管理・統制における課題) 当社は、継続的に企業価値を高めていくためには、コーポレート・ガバナンスの強化が重要な課題の1つであると認識しております。経営の効率化を図りながら、一方でその健全性、透明性を高め、長期的、安定的かつ継続的に企業価値を向上させることが、株主をはじめ、すべてのステークホルダーの皆様から信頼をいただく条件であると考えております。企業価値向上のために、俊敏さを備えた全社的に効率的な組織の構築を必要条件としつつ、業務執行の妥当性、管理機能の効率性・有効性を心がけ、改善に努めてまいります。
経営成績・財政状態の概況
抜粋表示
/ 原文長 約7894文字
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。 なお、当事業年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載の通りであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策の行動制限緩和等により、経済社会活動に正常化の動きが見られました。その一方で、新たな変異株による感染者数が増加していることや、ウクライナ情勢の長期化、原材料価格の上昇、金融資本市場の変動による下振れリスクもあり、依然として先行き不透明な状況が継続しています。 国内の製薬業界においては、 世界の医薬品市場が拡大する一方、国内市場は増加する薬剤費を抑制するため、薬価改定による価格引き下げが継続して行われ、後発医薬品への切り替えも進んでいます。また、新型コロナウイルス感染症拡大による受診抑制等の影響があったほか、薬価制度改革をはじめとする継続的な医療費抑制策の推進によって製薬会社にとって厳しい環境が続きました。一方、新型コロナウィルス感染症が拡大したことによって、医薬品の開発には膨大なコストと時間を要するものの、ワクチンをはじめとする医薬品の開発・供給基盤を確保することが、安全保障面においても重要であることを多くの国民が認識するようになりました。国産のワクチンや治療薬の登場が待ち望まれている中、最先端のICT (Information and Communication Technology:情報通信技術)の活用によって、新薬の研究や開発に必要となる期間やコストをいかに短縮できるかが課題となっています。 こうした中、当社は「ICTの活用で“持続可能な医療”を目指す」というビジョンを掲げ、自社構築のデジタル医療プラットフォームを活用した治療用アプリ開発の「DTx (デジタル治療:Digital Therapeutics)プロダクト事業」、並びに臨床試験の支援、機械学習自動分析システムの提供、DTx開発支援等の「DTxプラットフォーム事業」を展開し、ブロックチェーンやAI(人工知能) 技術の応用で業界に新たな価値を生み出して社会課題を解決することを目指して事業を推進しています。 DTxプロダクト事業におきましては、不眠障害治療用アプリの検証的試験(治験の最終ステップである第Ⅲ相臨床試験に相当)にて主要評価項目を達成しました。…
セグメント関連
抽出本文
/ 原文長 約849文字
3 報告セグメントごとの事業収益、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報 前事業年度(自 2020年7月1日 至 2021年6月30日 ) (単位:千円) 報告セグメント 調整額 (注)1 合計 DTxプロダクト 事業 DTxプラット フォーム事業 事業収益 外部顧客への事業収益 115,489 115,489 115,489 セグメント間の内部 事業収益又は振替高 115,489 115,489 115,489 セグメント利益又は損失(△) △ 160,130 8,848 △ 151,281 △ 182,140 △ 333,421 (注) 1.セグメント利益又は損失(△)の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社費用であり、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。 2.セグメント利益又は損失(△)の合計は、財務諸表の営業損失と一致しております。 3.セグメント資産については、事業セグメントに資産を配分していないため記載しておりません。 当事業年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日 ) (単位:千円) 報告セグメント 調整額 (注)1 合計 DTxプロダクト 事業 DTxプラット フォーム事業 事業収益 外部顧客への事業収益 200,000 116,873 316,873 316,873 セグメント間の内部 事業収益又は振替高 200,000 116,873 316,873 316,873 セグメント利益又は損失(△) 11,616 57,694 69,311 △ 298,464 △ 229,152 (注) 1.セグメント利益又は損失(△)の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社費用であり、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。 2.セグメント利益又は損失(△)の合計は、財務諸表の営業損失と一致しております。 3.セグメント資産については、事業セグメントに資産を配分していないため記載しておりません。