事業の内容
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3【事業の内容】 当社グループは、株式会社アサカ理研(当社)と子会社アサカ弘運株式会社により構成されております。当社グループの主たる事業は、電子部品屑等から貴金属を回収する貴金属事業、エッチング廃液を再生し、銅を回収する環境事業、各種計測データ処理システム等の開発・販売を行っているシステム事業であります。子会社のアサカ弘運株式会社は、主に貴金属事業及び環境事業の運搬業務を行っております。 (1)貴金属事業 当事業は、プリント基板メーカー、コネクタメーカー等の電子部品メーカーをはじめ、歯科医院及び歯科技工所等有価金属を含有する材料を扱う業者より集荷した基板屑、不良品、廃棄品等いわゆる都市鉱山から金、銀、白金、パラジウム等の貴金属を当社独自の技術にて分離・回収し、返却又は販売する事業であります。回収した貴金属は当社が開発した「ハイエクト装置」による溶媒抽出法により精製し、当社の刻印を打刻し、主に国内の商社に販売するとともに、材料加工したものを電子材料メーカー等に販売しております。 また、水晶関連業界で使用されるスパッタリング装置、蒸着装置といった真空成膜用装置の内部部品として使用されるマスク、防着板等の使用済み治具をクリーンルーム内で精密洗浄し、繰り返して使用できるよう機能を再生するとともに、治具に付着している有価金属を回収し、販売又は顧客へ返却しております。さらに、製造工程上不良となった水晶振動子を回収し、付着している数種類の膜を独自の処理にて剥離し、水晶素板としてその機能を再生させ、顧客へ返却しております。 [概要図] (2)環境事業 当事業は、プリント配線基板メーカーより使用済み塩化第二鉄廃液を引き取り、新液として再生し、副産物である銅を回収・販売する事業であります。プリント配線基板メーカーでは、銅を溶解し、電気回路を形成するエッチング工程で塩化第二鉄液を使用しますが、エッチング処理を行うことにより塩化第二鉄液の銅濃度が上がり、新液との入れ替えが必要となります。そのとき排出される使用済みの塩化第二鉄廃液を集荷し、これを原料として塩化第二鉄液を再生販売しております。この再生工程において塩化第二鉄液から副産物として回収される銅粉を、銅ペレット等利用しやすい形状に加工して、鉄鋼メーカー等に販売しております。 また、プリント配線基板メーカーのエッチング工程において、塩酸を使用してエッチング処理を行う場合があり、使用済み廃液として塩化第二銅廃液が排出されますが、この廃液についても塩化第二鉄液に再生するとともに、銅粉の回収も行っております。 塩化第二鉄廃液、塩化第二銅廃液の再生処理工程において、回収され新液として再利用される必要量を超える塩化第二鉄液が再生されます。…
経営方針・経営戦略・対処すべき課題
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(2) 経営戦略等 当社グループは、持続的な成長を果たすべく、最優先で取り組むべき事項を選択し、経営資源を集中させております。既存事業では主要取引先である電子部品・デバイスメーカーとのリレーション強化に努めるとともに、いち早く市場ニーズに応えるべく、技術開発を含めた既存工程の改善に努め、更なる収益化に取り組んでおります。新規事業であるリチウムイオン電池(LiB)再生事業では世界中で需要が高まっているリチウムイオン電池のリサイクルを実現すべく、独自技術の開発及び電池メーカーとの提携を実施し、事業化に向け注力しております。持続的な成長を果たすべく、既存事業での裾野拡大、新規事業であるLiB再生事業の早期収益化に注力し、企業価値向上に努めてまいります。 (3) 経営環境 当社グループにおきましては、主に都市鉱山として貴金属を多く使用する電子部品やデバイス工業の部品からの貴金属回収を行っていることから、電子部品・デバイス工業の業界における生産動向や貴金属相場による影響を受けます。 足もとでは、個人の消費活動には足踏みがみられたものの、企業活動には持ち直しの動きがみられ、物価上昇の影響を受けつつも景気は緩やかに回復しました。一方で、地政学リスクの高まりや世界的なインフレとそれに伴う金融引き締め、エネルギー・資源価格の高騰等、不安定な側面もみられました。主要製品のうち、金の価格は米国金利の引き下げが行われるとの見方や、紛争による安全資産としての需要の高まりから、ドル建て価格は上昇し、高い水準で推移しました。また、円安ドル高傾向であったことも影響し、円建て価格は前期を上回る水準となりました。 このような経営環境において、当社グループの主要取引先である電子部品・デバイスメーカーの生産動向は、自動車関連部品の需要や生成AI関連投資に伴う需要の拡大により生産量の増加を見込んでおります。また、スマートフォンをはじめとした移動体通信機器についても緩やかに需要が回復し、生産量も徐々に回復していくと見込んでおります。一方で、地政学リスクの高まりや世界的なインフレに伴い、原材料費や薬品費、電気料の高騰等の懸念が当面継続するものと想定しております。
対処すべき課題
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(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ①事業上の課題 当社グループは、持続的な成長に向けた事業構造転換に取り組んでおります。 当社グループの主要なお客様は、電子部品・デバイス工業分野に属しており、同分野の生産は、世界経済の変動によって大きくかつ急激に変動する傾向にあります。また、製品では金を中心とした貴金属及び銅の比率が高く、世界各国の財政政策の動向によって、短期間に価格が大きく変動する可能性があります。 このように、当社グループの事業は、電子部品・デバイス工業分野の生産と、貴金属及び銅相場の変動の影響を受けやすい状態にあり、持続的かつ安定的な成長を図るためには、これらの影響を受けにくい事業を創出し続けることによって、事業構造の転換を図り、影響度を相対的に引き下げていく必要があります。 ②財務上の課題 当社グループが金融機関と締結しているローン契約には、財務制限条項やその他の誓約事項が規定されている場合があります。当社の経営成績、財政状態が悪化することにより、いずれかの財務制限条項等に抵触した場合には、これらの条項に基づき金融機関から既存借入金の一括返済、金利及び手数料率の引上げ、担保権の設定等を要求される可能性があります。 以上のことから、当社グループとして重要課題と捉えているものには、次のものが挙げられます。 ・新規事業の創出及び新市場の開拓の加速 サステナビリティを重視した新規事業を創出し、事業構造の再構築を図る 海外を含めた新規市場の開拓により、持続的な成長を図る ・研究開発体制の強化 新規事業創出のための研究開発に人的リソースを集中し、研究開発力の強化と開発期間の短縮を図る ・会社を支える人材の活性化 事業環境や社会情勢が大きく変化する中で、イノベーションを牽引する人材の採用・育成・評価・登用に取り組む ・新規事業であるLiB再生事業の早期収益化 LiB再生事業に対しての調達資金を基に、いわき工場への生産設備の導入を進めることで早期収益化を実現する
経営成績・財政状態の概況
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4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。 ①経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、個人の消費活動には足踏みがみられたものの、企業活動には持ち直しの動きがみられ、物価上昇の影響を受けつつも景気は緩やかに回復しました。一方で、世界的には地政学リスクの高まりやインフレ、エネルギー・資源価格の高騰等、依然として先行き不透明な状況が続きました。 当社グループにおいては、民生電子機器や情報通信機器の需要が低下し、主要取引先において半導体製品等の電子部品の生産量が減少したことにより、貴金属の取り扱い数量は前期を下回りました。 主要製品のうち、金の価格は米国金利の引き下げが行われるとの見方や、紛争による安全資産としての需要の高まりから、ドル建て価格は上昇し、高い水準で推移しました。また、円安ドル高傾向が続いたことも影響し、円建て価格は前期を上回りました。銅の価格は、世界最大の銅消費国である中国の景気に減速がみられるものの、一部の海外鉱山の閉鎖による供給懸念等の要因でドル建て価格は高い水準で推移しました。円安ドル高も影響したことで、円建て価格は前期を上回りました。 このような事業環境の中、当社グループは資源循環型社会の実現に向け、経営基盤の強化及び新規事業の確立に努めました。社員一人ひとりが積極的にチャレンジする企業風土を目指して前期に導入した新人事制度に基づき、評価体系のブラッシュアップに取り組んだほか、人材育成制度の構築に努めました。 既存事業では、DX化に伴い拡大が期待される電子部品業界において、取引先とのリレーション強化や独自技術を武器とした新規開拓に注力しました。収益力の向上に向け、営業力の底上げや製造工程の効率化によるコスト低減にも継続的に取り組んでおります。 新規事業では、リチウムイオン電池(以下、LiB:Lithium-ion Battery)再生事業の事業化に向け、研究開発及び事業スキーム構築に注力しました。LiB再生事業の研究開発へは約600,000千円を投資し、CO₂排出量の削減とレアメタルの高回収率を両立するプロセスの構築に尽力しました。電池メーカーとの共同開発を経て、同社工場において排出される工程廃材リサイクルの一部を将来的に当社が受託する覚書(MOU)の締結に至りました。当該覚書に基づく取引により、将来的に設備及び研究開発へ投資した金額は充分に回収可能であると見込んでおります。 当連結会計年度の売上高は7,967,841千円(対前期3.8%減)となりました。…
セグメント関連
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3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報 前連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) (単位:千円) 報告セグメント その他 (注) 合計 貴金属事業 環境事業 システム事業 売上高 顧客との契約から生じる収益 7,033,960 1,036,851 196,152 8,266,964 18,691 8,285,656 外部顧客への売上高 7,033,960 1,036,851 196,152 8,266,964 18,691 8,285,656 セグメント間の内部売上高 又は振替高 122 122 295,327 295,449 7,033,960 1,036,973 196,152 8,267,086 314,019 8,581,105 セグメント利益 327,435 13,522 26,007 366,965 19,052 386,017 セグメント資産 6,441,472 1,355,208 281,013 8,077,694 271,043 8,348,738 その他の項目 減価償却費 177,756 51,424 9,422 238,603 32,960 271,563 受取利息 1,736 281 120 2,137 2,138 支払利息 12,574 2,834 842 16,251 16,251 有形固定資産及び無形固定資産の 増加額 781,015 251,908 47,806 1,080,730 51,265 1,131,995 (注)「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、運輸事業等であります。…
主要な顧客・販売先
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2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先 前連結会計年度 (自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) 当連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) 金額(千円) 割合(%) 金額(千円) 割合(%) 住商マテリアル株式会社 1,872,195 22.6 1,492,092 18.7 三菱商事RtMジャパン株式会社 1,438,273 17.4 1,309,126 16.4 田中貴金属工業株式会社 1,317,142 15.9 1,026,605 12.9 JX金属商事株式会社 926,656 11.2 818,490 10.3 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度の売上高は7,967,841千円(対前期3.8%減)となりました。貴金属の主要製品価格は前期を上回ったものの、取引先の減産等に伴い取り扱い数量が減少したこと、また、当社が回収・再生した貴金属を取引先に返却する形態の取引が拡大し、貴金属の売買を伴う取引が縮小したことで売上高は減少しました。加えて、中長期的な成長を見据えた組織体制の強化やLiB再生事業の研究開発への積極的な投資により、営業利益は293,586千円(同25.7%減)、経常利益は266,957千円(同30.8%減)の減益となりました。一方で、ふくしま産業復興企業立地補助金(13次募集)等により、特別利益244,656千円を計上したことで、親会社株主に帰属する当期純利益は371,674千円(同20.9%増)の増益となりました。 なお、当連結会計年度の下期と前連結会計年度の下期の業績を比較した場合、金や銅の取り扱い数量及び売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも前連結会計年度を上回っており、会計年度の後半において業績に回復傾向がみられました。 また、セグメント別の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。 経営成績に重要な影響を与える要因として、当社グループは貴金属、非鉄金属を主な製品として取り扱っているため、金属相場及び為替相場による影響を受ける可能性があります。また、当社の取引先の多くは電子部品・デバイス工業分野に属しており、この分野の景況の変化に伴い、当社の業績も連動する可能性があります。…