事業の内容
抜粋表示
/ 原文長 約4538文字
3 【事業の内容】 (1) ビジネスモデル概要 当社は、小説・コミックスの編集・制作を通じて物語を「紡ぐ」機能と、アニメ・舞台・映画・音声コンテンツ、グッズ、各種イベント等を通じて物語を「届ける」機能をあわせ持ち、クリエイターとファンを一体的につなぐIP創出・展開事業を営んでおります。物語の企画・編集から、書籍化、コミカライズへとつなぎ、さらにアニメ化、舞台化、映画化、ドラマCD化、オーディオブック化、グッズ展開やイベント展開へと広げることで、同一の世界観やキャラクターを多様な形でファンに届けることができる点に特徴があります。 この一連の展開は、作品(以下「IP(注)」)の魅力を高めながら、ファンとの関係性を長期的に育てていくことを重視しております。これらが一体として機能していることから、報告セグメントは「IP創出・展開事業」の単一セグメントとしております。 (注)IP:Intellectual Property(知的財産)。小説、コミックス、キャラクター、世界観等を含む創作物全般を指す。 (2) 競争優位性 当社のメディアミックスは、いわゆる「人気作品を外部へライセンスして映像化する」という従来の出版社のビジネスモデルとは異なり、IPの発掘・編集・コミカライズから、音声化・舞台化・アニメ化・グッズ展開などの企画までを一体で設計する「IPプロデュース型」の構造を特徴としております。作品ごとに適した展開を企画し、実行できる点に当社の独自性があり、主な特徴は以下のとおりです。 ① 魅力的なIP群 当社は、トレンド性だけに依存せず、世界観・ストーリー・キャラクター設定まで丁寧に作り込まれたIPを多数保有している点に強みがあると考えております。「本好きの下剋上」をはじめ、ランキング実績やメディア展開実績を持つIPが継続的に生まれており、単発ヒットに依存するのではなく、ポートフォリオとしてIP価値を積み上げております。この結果、長期にわたって運用可能なIP群を安定的に保有する体制を構築しております。 ② WEB小説を起点とした再現性のある作品創出モデル 当社は、主に無料の小説投稿サイトに掲載されたWEB小説から作品を発掘し、書籍化・コミカライズへと展開するモデルを構築しております。WEB上での閲覧数や評価等の指標に加え、編集者による内容評価、コミカライズによる読者のSNSでの反応、紙書籍及び電子書籍の販売動向、自社オンラインストアや公式Web漫画サイト「コロナEX」における読者の購買傾向など、複数の段階で得られる情報を総合的に勘案することで、作品の成長可能性を見極めながら出版・コミカライズ・メディア展開を判断しております。これにより、個々の編集者の勘や単発のヒットに頼らず、有望なIPを継続的に創出できる仕組みを整えております。…
経営方針・経営戦略・対処すべき課題
抜粋表示
/ 原文長 約5298文字
(1) 経営方針 当社は、“もっと物語を届ける――。”という経営理念のもと、作家・漫画家をはじめとする多くのクリエイターと共に物語を紡ぎ、それを多様な形で世の中へ届けてまいりました。 作品はまず、小説やコミックスとして「物語(ストーリー)」の形で誕生しますが、アニメ、映画・舞台、音声コンテンツ、グッズ、イベントなど、様々な体験を通して、読者や視聴者の記憶に残る「物語(ナラティブ)(注)」へと深化していきます。当社は、この“ストーリーからナラティブへ”と広がるプロセスそのものに、IP企業としての存在意義があると考えております。 この広がりをより確かなものとするために、当社は原作発掘・企画・編集を担う「紡ぐ」機能と、コミカライズ、アニメ企画、映画・舞台化、商品化、イベント運営などIPを世の中へ「届ける」機能を自社内に備え、創出から展開までを一体的に運用できる体制を築いてまいりました。両機能を用い、IPポートフォリオの質と量を拡大し、長く愛されるIPへと育てていくことを目指しております。 今後は、自社IPのメディアミックス展開をさらに強化するとともに、海外市場への展開、他社IPのメディア展開など、事業のフィールドを広げてまいります。これらを通じて、クリエイターとともに生み出したIPの価値を最大化し、国内外の読者・視聴者により多くの物語を届けることで、持続的な成長と企業価値の向上を実現してまいります。 (注)物語(ナラティブ):原作作品がアニメ・舞台・音声・イベント等の多様な体験を通じて、読者・視聴者の記憶や共感に残る物語として広がっていくことを指します。 (2) 経営環境 日本のコンテンツ産業全体は、出版物を起点としたアニメ化、キャラクター商品化、イベント展開など、IPを多面的に展開するビジネスモデルが定着しつつあり、近年も高い水準で推移しております。一般財団法人デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2025」によれば、2024年の国内コンテンツ産業市場は約14.0兆円と過去最高を更新しており、特に動画配信・電子出版オンライン領域の成長が顕著で、市場全体の78.9%をデジタルが占める構造へと変化しております(出典:一般財団法人デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2025」)。 また、人気IPの多角展開により、グッズ・イベントなど周辺収益の規模も拡大しており、キャラクタービジネス市場は2025年現在約2.8兆円規模と大きな存在感を示しています(出典:株式会社矢野経済研究所「キャラクタービジネスに関する調査(2025年)」)。国内アニメ市場では、映像配信や映画、ライブイベント、音楽、商品化などの二次利用分野の市場規模が、映像ソフト・放送等の一次収益の約2.…
対処すべき課題
抽出本文
/ 原文長 約103文字
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
経営成績・財政状態の概況
抜粋表示
/ 原文長 約4296文字
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当社は、“もっと物語を届ける――。”という経営理念のもと、小説・コミックスを起点としたIPの創出と、アニメ・舞台・グッズ等へのメディアミックス展開を一貫して行う体制を強みに事業を展開してまいりました。 出版市場におきましては、紙の出版が縮小する一方で電子出版が拡大しており、公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所によると、2025年(1月~12月)の電子出版市場は前年比2.7%増の5,815億円となりました。こうした市場構造の変化は、当社の主力であるライトノベル・コミックス分野にもプラスに作用しております。 このような事業環境のもと、当社ではIPの「紡ぐ」機能(企画・編集・書籍化)と「届ける」機能(アニメ化・舞台化・商品化等)を連動させ、アニメ化タイトルを中心に書籍・コミックスの販売が堅調に推移しました。2025年夏クールに放映したTVアニメ『水属性の魔法使い』は、主要動画配信プラットフォーム12サイトでランキング1位(注)を獲得するなど、大きな反響がありました。2026年は年初よりTVアニメ『穏やか貴族の休暇のすすめ。』の放映を皮切りに、4月からTVアニメ『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 領主の養女』の放映が開始されております。過去のアニメ化作品と同様に、原作書籍やコミックスの販売増加に寄与しております。 結果として、当事業年度の売上高は、11,795,979千円(前事業年度25.1%増)、営業利益は1,984,672千円(前事業年度72.7%増)、経常利益は1,954,068千円(前事業年度70.6%増)、当期純利益は1,310,417千円(前事業年度69.0%増)となりました。また、当事業年度末における資産合計は、10,441,993千円(前事業年度末比69.5%増)、負債合計は3,168,401千円(前事業年度末比66.9%増)、純資産合計は7,273,591千円(前事業年度末比70.7%増)となりました。 (注):当社調べ。各配信サービスにおいて、デイリー又はウィークリーベースで1位を記録した“話”単位の実績を集計 ② キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末より3,099,691千円増加し、4,363,794千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは1,766,767千円の収入となりました。…
セグメント関連
抽出本文
/ 原文長 約74文字
【セグメント情報】 当社の事業セグメントは、IP創出・展開事業のみの単一セグメントであり重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。