3分で読める事業概要
有価証券報告書の記載内容をもとに、事業内容・主なサービス・確認ポイントを自動整理した参考情報です。
事業の概要
半導体用フォトマスクの製造・販売を行う、TOPPANグループから事業を継承した企業です。世界8拠点の生産ネットワークと高度な微細加工技術を駆使し、EUVマスクを含む最先端領域からレガシーノードまで幅広く対応。2024年時点で外販フォトマスク市場でシェア37.8%を誇る業界のリーディングカンパニーです。
主な事業領域
半導体用フォトマスクの製造・販売、および微細加工技術を応用したナノインプリントモールド等の新事業領域の開拓。
主な製品・サービス
- 半導体用フォトマスク(EUVマスク含む)
- ナノインプリントモールド(Waveguide用など)
ビジネスモデル
半導体製造工程における「金型」となるフォトマスクの受託製造・販売。高度な技術要求への対応による高い参入障壁の構築。
セグメント・事業構成
フォトマスク関連事業(単一セグメント)
戦略・方向性
EUV等の先端領域での技術開発、レガシーノードの安定供給体制維持、8拠点の「バーチャル1工場」化による生産効率向上、およびナノインプリント技術を活用した新事業開拓。
強みとして読み取れる点
- 世界シェア37.8%(2024年)
- EUVマスクを含む最先端技術の提供能力
- グローバルな製造・サービスネットワーク(8拠点)
- 高い参入障壁(研究開発段階からの信頼獲得)
課題として読み取れる点
- 中国市場における競合激化への対応
- 地政学的リスクや輸出規制への注視
- 新事業領域での競争力確保と顧客開拓
確認ポイント
- EUVマスクおよび次世代技術のシェア推移
- ナノインプリント関連の新事業成長率
- グローバル拠点の生産効率向上(バーチャル1工場化)の進捗
概要整理の信頼度: 4 / 5 ・事業内容、市場シェア、戦略、課題が詳細に記載されており、概要把握には十分な情報があるため。
事業・経営に関する有報本文
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事業の内容
3 【事業の内容】 当社は、半導体用フォトマスクの製造・販売会社として、TOPPANグループから吸収分割により事業を継承する会社として設立され、2022年4月より営業を開始しました。 当社グループは当社、連結子会社13社及び持分法適用会社2社の計16社で構成されており、世界各地に広がるサービスネットワークと主要な半導体需要地域に所在する8つの製造拠点を活用し、EUVマスク生産などを手掛ける等、業界最先端の技術開発力で、外販フォトマスク市場のリーディングカンパニーとして事業活動を行っております。また、微細加工技術を応用し、ナノインプリントモールド等の新事業領域の開拓を進めております。 当社グループの事業は、前身であるTOPPANグループにおいて印刷テクノロジーの一つである微細加工技術を応用し、1968年にトランジスタ用のマスクの量産を開始したことに端を発しております。以来、半世紀以上に及ぶ歴史の中で、台湾に中華凸版電子股份有限公司(現 中華科盛德光罩股份有限公司)を設立し、また、DuPont Photomasks, Inc.を買収することで、今日では世界各国に製造拠点を有する外販フォトマスクメーカーとして、2024年において半導体向け外販フォトマスク市場におけるシェア37.8%というトップの位置におります。 (出典 SEMI「2024 PHOTOMASK CHARACTERIZATION STUDY」) 当社グループの報告セグメントはフォトマスク事業の単一セグメントでありますが、事業の内容の記載にあたりましては、以下「フォトマスク事業領域」と「新事業領域」に区分して記載いたします。 (フォトマスク事業領域) フォトマスクとは、フォトリソグラフィ技術 ※ において、対象物に任意の図形(パターン)を転写するための原版となるガラス基板であり、一般に写真のネガに例えられます。 今日では半導体製造工程の一つである露光(リソグラフィ)プロセスにおいて広く使用されており、フォトマスク上の半導体回路パターンをシリコンウェハ上に縮小露光することにより微細な回路パターンを形成することが可能となります。当社グループでは半導体メーカーや研究機関等の顧客から量産及び試作・研究開発用途で、様々な高精細フォトマスクの製造を受託しております。 半導体用フォトマスクは、半導体製造プロセスにおける「金型」として極めて重要な役割を果たすものであり、微細かつ高精度な製品を短納期で納入することが求められます。 フォトマスクは、顧客より支給された半導体回路のパターンデータをもとに、電子ビーム等でマスクブランクス(ガラス基板上に遮光膜を成膜し、その上に感光材であるフォトレジストをコーティングしたもの)上に回路パターンを描画し、現像・エッチングを経て製造されます。…
経営方針・経営戦略・対処すべき課題
(1) 経営方針 当社グループは、2025年4月1日、グループ全体が目指す方向性と価値創造の基本的な考え方を明確化した「Mission・Vision・Values(MVV)」を制定し、この「MVV」のもと、事業環境の変化に的確に対応しながら、中長期的な企業価値の向上を図ることを経営方針として掲げております。 制定した「MVV」では、Mission(使命)として、「先端微細加工技術で革新的な未来を描く」を掲げ、半導体産業の発展を支えるフォトマスク分野において、最先端技術と高品質な製品・サービスを提供することにより、社会及び産業の持続的な成長に貢献してまいります。 Vision(ありたい姿)としましては、「常に選ばれる存在へ」を掲げ、世界を変える「テクノロジー」、ステークホルダーと築く「共通価値」、多様な人財が活躍する「人と組織」という視点を基盤に据え、様々な期待を超え続け、常に選ばれる企業の実現を目指し、EUVマスクをはじめとする先端領域を中心とした継続的な研究開発並びに設備投資を行い、技術力と供給力のさらなる高度化を図ってまいります。 また、Values(価値観)として、「誠実さ」「顧客志向」「多様性が生む革新」「世界を見据え、地域とともに」「不断の改善」という思いを共有し、誠実さを貫き社会的責任を果たすとともに、お客さまの成功の先に当社の成長があるとの考えのもと、文化や価値観の交わりから新たなソリューションを創出し、グローバルな視点を持ちながら地域とともに持続的な成長を実現してまいります。 これらのMVVに基づき、当社グループは、世界各地に展開する生産・サービス拠点を活用した安定供給体制の強化、品質・安全・環境に配慮した事業運営の徹底、人財育成及びガバナンス体制の高度化に取り組んでまいります。加えて、積極果敢な挑戦と不断の改善を通じて、既存事業の競争力向上にとどまらず、微細加工技術を応用した新たな事業領域の創出にも取り組むことで、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。 (2) 経営環境 フォトマスク市場に大きな影響を与える半導体市場は、最終製品分野別の需要動向には引き続き濃淡が見られるものの、生成AIの普及拡大やクラウドサービス需要の増加を背景としたデータセンター向け投資が引き続き高水準で推移しました。高性能演算を担うロジック製品や、データ処理量の増加に対応するメモリ製品を中心に需要の回復及び成長が進み市場を大きくけん引するなど、半導体市場全体としては回復・拡大基調が継続する事業環境となりました。 このような半導体市場の拡大を背景に、フォトマスク市場においては、先端ノードから成熟ノードまで、すべてのプロセスにおいて需要が堅調に推移しました。…
対処すべき課題
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ① フォトマスク事業の拡大 (ⅰ)フォトマスク事業成長領域の戦略的連携強化と成長 当社グループが持続的な成長を実現していくためには、市場成長が予想される地域に対し適切に設備投資を行い、生産能力を拡大するとともに、新たな技術領域に対して技術力・研究開発力を強化し差別化していくことが不可欠であります。 地域戦略では、各国・地域における業界動向や産業政策、輸出規制等を注視しながら投資機会を見極めてまいります。特に、量的需要の拡大が見込まれる米国及び中国を除くアジア各国の需要を重視し、生産能力拡大に向けた設備投資を進めてまいります。一方、これまで市場成長をけん引してきた中国市場については、米中間のデカップリングの進展及び同国政府による国産化政策を背景として現地競合企業との競争が激化していることから、収益性を重視した選択的な事業展開と設備投資を行ってまいります。 また、いずれの地域においても、現地当局との関係構築や有力顧客との長期供給契約の締結を通じて、安定的な取引関係を構築し、強固な事業基盤を確立することにより、当社グループの市場におけるポジションをより盤石なものとしていくことが重要であると考えております。 先端技術領域においては、当社グループは既に、フォトマスクの技術開発及び生産に不可欠なマルチビーム描画装置を朝霞工場及びドレスデン工場に導入しEUVマスクの開発・生産を開始するとともに、Curvilinear等の最新技術を用いた光マスクの生産への適用を進めております。特に、EUVマスクについては、ブランクスメーカーとの協業によるHigh-NAリソグラフィ向け新規ブランクス開発や、IBM社とのプロセス共同開発等を推進し、次世代EUVマスク分野において競合他社に先行することを目指しております。 (ⅱ)レガシー領域の戦略的強化 半導体市場では、28nm以細の先端ノードのみならず、いわゆるレガシー領域においても今後の成長が見込まれております。これは、AIやデータセンター向けに比較的高性能な半導体需要が増加していることに加え、レガシー領域においてはIoTや自動運転等多様なアプリケーションの開発と普及により、必ずしも高度な性能を必要としない半導体の量的需要が増加していることに起因しております。 当社グループでは、こうした需要に対してタイムリーにフォトマスクを供給する体制を維持するため、各工場におけるレガシー装置について、グループ全体最適の目線で更新投資計画を策定し、効率的かつ計画的な更新を進めております。…
経営成績・財政状態の概況
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 なお、当社グループは「フォトマスク関連事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 ① 財政状態及び経営成績の状況 (ⅰ)財政状態 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ 62,973百万円増加 し、 230,725百万円 となりました。これは現金及び現金同等物が23,837百万円、有形固定資産が21,154百万円、その他の金融資産が7,298百万円、それぞれ増加したこと等によるものであります。 負債は、前連結会計年度末に比べ 4,848百万円増加 し、 56,218百万円 となりました。これは契約負債が1,495百万円減少したものの、その他金融負債が4,814百万円、借入金が661百万円増加したこと等によるものであります。 資本は、前連結会計年度末に比べ 58,125百万円増加 し、 174,507百万円 となりました。これは利益剰余金が25,125百万円、新規上場に伴う新株の発行により資本金が10,040百万円、資本剰余金が10,026百万円、その他の資本の構成要素が12,933百万円、それぞれ増加したこと等によるものであります。 (ⅱ)経営成績 当連結会計年度における世界経済は、地政学リスクや金融政策の動向等、不透明な要因が残るものの、米国を中心とした堅調な個人消費や企業投資を背景に、総じて緩やかな回復基調で推移しました。欧州や中国では景気回復の足取りにばらつきが見られた一方で、デジタル化やグリーン投資といった中長期的な成長分野への投資は継続しており、世界経済全体としては底堅さを維持する環境となりました。 このような状況のもと、半導体市場においては、生成AIの普及拡大やクラウドサービスの需要増加を背景としたデータセンター向け投資が引き続き高水準で推移しました。その結果、高性能演算を担うロジック製品や、データ処理量の増加に対応するメモリ製品を中心に需要の回復及び成長が進み、半導体市場全体を大きくけん引する状況となりました。最終製品分野による需要動向には引き続き濃淡が見られるものの、全体としては回復基調が継続する事業環境となりました。 半導体市場の拡大を背景に、フォトマスク市場においては先端から成熟まですべてのノードにおいて需要が堅調に推移しました。先端領域では、半導体の微細化・高集積化の進展に伴い、高精度かつ高付加価値なフォトマスクに対する需要が引き続き堅調であり、安定した受注環境が継続しました。また、成熟プロセス向けにおいても幅広い用途での需要が維持され、底堅く推移しました。…
セグメント関連
(1) 報告セグメントの概要 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。当社グループは、製品や製造工程等に関して類似の経済的特徴を有していることを勘案して、事業セグメントを集約し、「フォトマスク関連事業」の単一セグメントとしております。そのため、セグメント情報の記載を省略しております。 (2) セグメント収益及び業績 当社グループは「フォトマスク関連事業」の単一セグメントであるため、記載を省略しております。 (3) 製品及びサービスに関する情報 当社グループは、半導体用フォトマスク製品の製造・販売を行っており、単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上収益が連結損益計算書の売上収益の大部分を占めております。 (4) 地域別に関する情報 売上収益及び非流動資産の地域別内訳は以下のとおりであります。 ① 外部顧客からの売上収益 (単位:百万円) 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日 ) 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日 ) 日本 8,123 10,268 中国 34,520 35,414 台湾 18,914 18,896 韓国 15,000 18,133 米国 20,371 25,169 欧州 15,482 12,548 その他 5,561 9,144 合計 117,974 129,576 (注) 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。 ② 非流動資産 (単位:百万円) 前連結会計年度 ( 2025年3月31日 ) 当連結会計年度 ( 2026年3月31日 ) 日本 20,692 20,312 中国 16,421 18,497 台湾 22,544 26,539 韓国 8,288 11,160 米国 14,919 15,246 欧州 6,500 10,991 その他 28 7,917 合計 89,396 110,665 (注) 非流動資産は、資産の所在地によっており、金融資産、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を含んでおりません。 (5) 主要な顧客に関する情報 連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める顧客の売上収益は、以下のとおりであります。 (単位:百万円) 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日 ) 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日 ) Samsung Electronics Co., Ltd. 15,063 (注) 前連結会計年度におけるSamsung Electronics Co., Ltd.…
リスク開示の整理
リスク開示注意度: 1 / 5
有報ナビによる整理
半導体市場の需要変動、地政学リスク、および貿易摩擦による影響を受けやすい環境にあり、研究開発フェーズでの技術パートナー参画により量産前段階での需要確保に努める。競合他社との価格・技術競争の激化(特に中国の新興ベンダー)に対し、幅広い製品ラインナップとコスト競争力の強化で対応。サプライチェーンにおける特定原材料や設備の供給制約および地政学リスクへの対策として、代替品の提案と拠点間在庫融通体制を構築。為替変動、関税措置、輸出入規制の等による国際取引リスクに対し、ヘッジ手段の活用、拠点の見直し、教育を通じたコンプライ用語項の遵守。事業用資産やユーティリティ供給設備の契約更新・条件変更に関するリスクへの対応策あり。また、情報セキュリティ、品質管理体制、コンプライアンス体制の整備により各リスクを低減する。